「何が問題かわからない」で炎上した福田達夫議員の祖父は第67代内閣総理大臣の福田赳夫、父は第91代内閣総理大臣の福田康夫(時事通信フォト)

「何が問題かわからない」で炎上した福田達夫議員の祖父は第67代内閣総理大臣の福田赳夫氏、父は第91代内閣総理大臣の福田康夫氏(時事通信フォト)

 これはもはや岸田首相や茂木幹事長の言う「それぞれの議員が説明を行うべき」「説明が大事」で済む話ではないだろう。だが首相も幹事長も「べき」「大事」という言い方に止め、説明責任は求めていない。自民党の福田達夫総務会長は7月29日、「何が問題なのかわからない」と発言して非難を浴びたことでもわかるが、議員らにとってひと昔前に霊感商法などで問題視された宗教団体であっても、避けるべき相手ではないらしい。

 議員らがイベントでスピーチした、実行委員長として名前を貸した、ボランティアで手伝ってもらったとしても、警察が公式に指定した反社会的勢力でもカルトとして認定されているわけでもない団体だ。例え接点があったとしても、法的に問題はなく、法的責任が生じるわけでもない。

 だが党員である議員が接点を持っていた、選挙でマンパワーや票を得ていたとなれば、党として「道義的責任」はあるのではないだろうか。道義的とは「人として行う正しい道」であり、道義的責任は「人として行うべき道理から生じる責任」である。首相や幹事長の発言が批判され、福田総務会長の発言が非難を浴び、政治家たちの癒着が問題とされるのも、国民が自民党や自民党議員に、この道義的責任を問うているからだと思うのだ。

 人は「連想」する生き物である。ある言葉を見たり聞いたりした時、それと関連するだろう言葉や事柄などを思い浮かべるものだ。この問題を見聞きしていると、個人的には安倍元首相の国葬が連想されるし、こうも議員らの癒着や接点が表沙汰になってくると、国葬に否定的な気持ちが強くなる。旧統一教会と政治家の癒着と国葬は、関係ないことだと言われるかもしれないが、そこが意識しないうちにつながって思い浮かべるようになるのが連想である。

 報道各社が行った世論調査では反対が賛成を上回っているものも多いというが、実兄を亡くした岸防衛相でさえ、山上容疑者の飛躍的論理の原因となった旧統一教会との関わりについて、当初は「軽々に答えることができない」と述べていたように、彼らの物言いには釈然としないもやもやした感覚が付きまとう。この問題に対し国民が道義的に納得できるような説明や言動が自民党からも示されなければ、今後、反対する人たちが増えていくのではないだろうか。

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