国内

岸田文雄首相「急転直下の内閣改造」で焦点になる「旧統一教会と関係深い安倍派」の処遇

岸田首相はどのような判断を下すのか(時事通信フォト)

岸田首相はどのような判断を下すのか(時事通信フォト)

 当初、9月上旬を軸に検討されていた内閣改造と自民党役員人事が大幅に前倒しされ、岸田文雄・首相は8月10日にも実施する方針を固めた。背景には安倍晋三・元首相の「国葬」や、自民党と旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との関係を巡って批判が噴出し、参院選で勝利したにもかかわらず、支持率の下落傾向が明らかになっていることがあるとみられている。そうしたなかでの今回の人事の焦点のひとつになるとみられているのが、とりわけ旧統一教会との関係が取り沙汰されている党内最大派閥・安倍派(清和会)の処遇だ。

 岸田首相は6日、地元・広島で開かれた平和記念式典に出席。会見では旧統一教会との関係についての質問に答える一幕があった。自身は旧統一教会との関係がないことを明言したうえで、「国民の皆さんに疑念を持たれないように、十分に注意しなくてはいけない。新たに指名する閣僚、副大臣等を含めて、まずしっかり点検してもらう」と語った。

 安倍元首相の銃撃事件以降、自民党議員と旧統一教会の関係に注目が集まっている。関係が取り沙汰される議員の多くが、安倍氏が率いた清和会の所属だ。大手紙政治部記者が言う。

「もともと、安倍氏の祖父である岸信介・元首相が統一教会との関係が深かったという歴史的な背景もあって、清和会の政治家において問題視されるケースが数多く出ている。安倍氏の実弟である岸信夫・防衛相は選挙で旧統一教会の支援を受けていたことを認めている。安倍氏の先代の清和会会長にあたる細田博之・衆院議長は関連団体のイベントでスピーチを行なっていた。

 派閥の重鎮である下村博文氏は、文科相時代に統一教会からの名称変更が行なわれことにどれだけの関与があったのか追及されている状況。さらには安倍氏の後継として派閥をまとめあげる候補として名前が挙がる萩生田光一・経産相も関連イベントでスピーチした過去を認めているし、末松信介・文科相も関連団体によるパーティ券購入があった」

 安倍氏が率いた清和会は自民党の最大派閥であり、岸田内閣にも松野博一・官房長官ら4人を閣僚として送り込んでいる。こうした面々の処遇がどうなるのか、新内閣に清和会から何人が入閣し、それがどういったメンバーになるのか。そうしたところが、今回の人事の焦点のひとつになるとみられている。ベテラン政治ジャーナリストはこう言う。

「もともと体調不安説のある岸防衛相は交代が既定路線ではないか。萩生田経産相も、本来であれば重要ポストを担う人材として高い評価を受けているが、国会論戦で旧統一教会との関係を攻めてたられるのは問題があるという判断で交代の可能性は低くないだろう。岸田首相の言うように、旧統一教会との関係を“しっかり点検”するということになれば、自然と清和会の大物議員が外れていくことになるのではないか」

関連記事

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト