ライフ

今や国民病、暑い8月も「熱中症」に要注意 高齢者は生活習慣の見直しを

熱中症は重症になると命にまでかかわる(イラスト/いかわやすとし)

熱中症は重症になると命にまでかかわる(イラスト/いかわやすとし)

 蒸し暑い環境で筋肉運動などを行ない、体温が上昇すると発汗や血液が皮膚表面に集まり、熱放散して体温を下げる働きをする。それでも体温が下がらず、水分やミネラルなどのバランスが崩れ、めまいや立ち眩み、全身倦怠感などの症状が起こるのが、今や国民病ともいえる熱中症だ。重症では意識障害や痙攣、肝臓や腎臓の機能障害、血液凝固障害などを発症し、命にかかわる。

 人間は体温が37℃前後で代謝や酵素が最適に働く。そのため異常な体温上昇を抑える調節機能が備わっている。

 例えば発汗後に汗が乾く時の気化熱で体温を下げたり、血液が体内の熱を運び、皮膚表面に集まり、放熱して体温を下げる。他にも血液は、あらゆる臓器に酸素と栄養を運び入れながら、同時に臓器から出る老廃物を持ち帰って腎臓や消化器から捨てる働きもする。これらを行なっても体温調節機能が破綻してしまい、体内の水分やナトリウムなどのバランスが崩れ、症状が出るのが熱中症だ。

 体温が異常に高い状態が続くと、発汗による脱水と塩分不足で血液の流れが悪くなるため皮膚表面からの放熱もできなくなり、脳や心臓、腎臓、肝臓といった重要な臓器がダメージを被る。重症になると血液や中枢神経が障害され、意識障害、痙攣を発症。その結果、血液が固まらなくなる血液凝固障害や筋肉が大量に壊れる横紋筋融解症、急性腎障害など重篤な症状を引き起こし、命の危険が続く。

 帝京大学医学部附属病院高度救命救急センターの三宅康史センター長に話を聞いた。

「熱中症の典型的な初期症状はめまいや立ち眩み、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、こむらがえりなどです。しかし、これらは他の病気でも起こります。先日、若い方が体調を崩して救急搬送されました。熱中症だと思ったのですが、念のためPCR検査をしたところ、陽性でした。熱中症は症状ではなく、暑い環境にいたか、暑い場所で肉体労働やスポーツをしていたかで判断することが重要となります」

関連キーワード

関連記事

トピックス

マムカ司令官
【ウクライナの戦場取材でYOASOBI】報道カメラマンがウクライナで戦うジョージア部隊「世界初の最前線取材」の許可を得るまで ドーベルマンとフィアット500に乗り、車内で『夜に駆ける』
NEWSポストセブン
1990年代、多くの人気バラエティ番組で活躍していたタレント・大東めぐみさん
《交通事故で骨折と顔の左側の歯が挫滅》重傷負ったタレントの大東めぐみ「レギュラーやCM失い仕事ほぼゼロに」後遺症で15年間運転できず
NEWSポストセブン
ポータブルトイレの大切さを発信するYoutuber・わさびちゃん
「そもそもトイレの話がタブー過ぎる」Youtuberわさびちゃんが「トイレ動画」を公開しまくるようになったきっかけ「芸人で恥ずかしいこともないし、夫に提案」
NEWSポストセブン
1990年代、多くの人気バラエティ番組で活躍していたタレント・大東めぐみさん
《事務所が猛反対もプロ野球選手と電撃結婚》元バラドルの大東めぐみ、人気絶頂で東京から大阪へ移住した理由「『最近はテレビに出ないね』とよく言われるのですが…全然平気」
NEWSポストセブン
全国で車中泊をしているわさびちゃん夫婦。夫は元お笑い芸人のピーチキス・けん。
YouTuber・わさびちゃんが「トイレ動画」でバズるまでの紆余曲折「芸人時代に“女”を求められたり、男性芸人から嫉妬されたり…」
NEWSポストセブン
悠仁さまに関心を寄せるのは日本人だけではない(時事通信フォト)
〈悠仁親王の直接の先輩が質問に何でも答えます!〉中国SNSに現れた“筑波大の先輩”名乗る中国人留学生が「投稿全削除」のワケ《中国で炎上》
週刊ポスト
「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《借金で10年間消息不明の息子も》ビッグダディが明かす“4男5女と三つ子”の子供たちの現在「メイドカフェ店員」「コンビニ店長」「3児の母」番組終了から12年
NEWSポストセブン
リシェット
戦場取材に欠かせない「フィクサー」とは? ウクライナ入りした報道カメラマンが紹介された“取材に愛犬を連れて来る男” ギャラは「1日1500ドル」と法外な金額に
NEWSポストセブン
女児盗撮の疑いで逮捕の小瀬村史也容疑者(37)。新たに”わいせつ行為”の余罪が明らかになった
「よくタブレットで子どもを撮っていた」不同意わいせつ行為で再逮捕の小瀬村史也容疑者が“盗撮し放題だったワケ” 保護者は「『(被害者は)わからない』の一点張りで…」
NEWSポストセブン
成年式を控える悠仁さまと第1子を出産したばかりの眞子さん(写真・右/JMPA)
眞子さん、悠仁さまの成年式を欠席か いまなお秋篠宮家との断絶は根深く、連絡を取るのは佳子さまのみ “晴れの日に水を差す事態”への懸念も
女性セブン
「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《多産DVを語ったビッグダディ》「子どもができたら勝手に堕ろすんじゃないぞ」4男6女の父として子供たちに厳しく言い聞かせた理由
NEWSポストセブン
ボニー・ブルーとの2ショット(インスタグラムより)
《タダで行為できます》金髪インフルエンサー(26)と関係を持った18歳青年「僕は楽しんだから、被害者になったわけじゃない」 “捕食者”との批判殺到に反論
NEWSポストセブン