以前は欧米と同じように熱中症の軽症を熱失神・熱痙攣、中等症を熱疲労、重症は熱射病と分類していたが、今年3月、環境省が4年ぶりに『熱中症環境保健マニュアル』を改訂。症状などによってI度(軽度)、II度(中等度)、III度(重度)の3段階に分類されている(表参照)。
ともあれ熱中症は元気な人でも暑い環境の中、肉体労働やスポーツをして体温が上昇すると発症してしまうが、それとは別に、現在は持病のある高齢者が動かなくても暑い環境に長くいるだけで発症するケースも増えている。
「近年、地球温暖化での猛暑の増加、著しい高齢化、そして、貧困などがリスクとなり、熱中症による救急搬送が増えています。なにより体を冷やすことと水分補給の2つが不可欠。もちろん朝食をしっかり食べ、睡眠不足や過度の飲酒を避け、筋肉量を減らさないことも熱中症予防の基本です」(三宅センター長)
筋肉は脂肪と比べ水分保持量が多い。筋肉を保つために運動を続け、汗をかき暑さに慣れる体作りを目指そう。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2022年8月19・26日号