投票する際、人柄や経歴、どんなことを公約に掲げているのか、どの党から出馬しているのかを重視する人がいる一方で、投票所に行って“この人なら名前を知っている”という理由で投票する人も少なからずいる。選挙がしばしば“人気投票”と言われるのも、そんな理由です。
タレントは人前に出ることに慣れているので、選挙戦でも堂々と立ち振る舞えますし、著名人の応援があればさらに票は伸びる。他の一般候補者とは違い、選挙演説をしただけでもニュースになりますし、街を歩く人の足も止まりやすい。選挙は名前を覚えてもらってナンボの世界。すでに名前が知られている人に白羽の矢が立つのは当然です」(フリーライター)
ただ、有権者の目は徐々に厳しくなっている。タレント候補といえども、出馬=当選という図式は成り立ちにくくなってきているのだ。
「2019年の参院選で大きな話題となったのが、元モーニング娘の市井紗耶香(38才)の落選です。市井はモーニング娘全盛期のメンバーで、人口的にボリュームゾーンの40代の知名度は圧倒的。野党からの出馬ではありましたが、落選の最大の理由とされたのが、SPEEDの今井絵理子(38才)の不倫騒動です。今井は2016年の参院選で約32万票を獲得して当選しましたが、その後、不倫疑惑が浮上。この件でタレント議員への目が一気に厳しくなり、市井はもろに余波を喰らったと言われました。
今井は今夏の選挙で再選を果たしましたが、票数は半分以下に。また、乙武洋匡氏や高見知佳などは落選しました。かつては、当選してしまえば新人議員の活動が伝えられる機会は少なく、任期中は安泰でしたが、今やネットやSNSなどで政治活動が厳しく監視される時代。名前だけで当選できる時代は終わりに向かうのではないでしょうか」(フリーのジャーナリスト)
スタートで大きくつまずいた生稲氏だが、参院議員の任期は6年間。出遅れを取り戻せるか。