国際情報

台湾金門島に飛来した中国製ドローンに兵士が投石 防衛体制に波紋

中国製ドローンが台湾軍基地の上空に飛来したところ…

中国製ドローンが台湾軍基地の上空に飛来したところ…

 中国大陸から約6kmしか離れていない台湾の離島・金門島の台湾軍基地の上空に中国製ドローンが飛来したところ、2人の台湾兵士がドローンに向かって投石。その様子を撮影した動画が中国の中国版短文投稿SNS「微博(ウェイボー)」に投稿され、「台湾軍は石で武装している」などとの揶揄が掲載された。

 動画は台湾でも拡散し、市民から「何たる侮辱」「許しがたい」といった怒りの声が寄せられたことで、台湾国防部(日本の防衛省に相当)は、来年には金門島に最新鋭のドローン防衛システムを構築するなどとの声明を発表し、大きな話題を呼んでいる。台湾各紙が報じた。

 この動画は8月16日、金門島の対岸に位置する中国福建省厦門市(島)の民間会社が撮影したもので、これを見た中国のあるフォロワーは「ご覧の通り、台湾の防空体制は確かにしっかりとしているようだ」とか「台湾の最新鋭地対空兵器が明らかになった」などと台湾軍を揶揄するコメントを掲載した。

 これに対して、金門島の戦史研究会は「台湾軍は離島のドローン防御態勢を強化すべきだ」などと主張している。

 台湾の与党「民主進歩党(民進党)」の王廷雨・立法院(国会に相当)議員も報道を引用して、この事件を「非常に深刻だ」と表現した。

 台湾国防部は声明で「2023年に国家的なドローン防衛システムを構築する一方で、『グレーゾーンの脅威』 に対処できるよう、離島に優先的に対応する」と発表。『グレーゾーンの脅威』とは、一般的に明確な戦争行為ではないが、国家の安全保障に害を及ぼす種類の動きという意味だ。

 台湾では中国と戦闘状態に入った場合、金門島のほか、澎湖、馬祖などの離島が、中国軍の最初の攻撃目標となる可能性が懸念されている。このため、台湾国防部は同じ声明で「ドローン防衛システムは遠隔操作され、操作中の兵士や将校は「『紛争を誘発せず、紛争を起こさない』という原則を守り続け、技術的な設備を用いて適切な対抗措置をとる」と主張している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
大谷翔平に“口裏合わせ”懇願で水原一平容疑者への同情論は消滅 それでもくすぶるネットの「大谷批判」の根拠
NEWSポストセブン
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
女性セブン
宗田理先生
《『ぼくらの七日間戦争』宗田理さん95歳死去》10日前、最期のインタビューで語っていたこと「戦争反対」の信念
NEWSポストセブン
焼損遺体遺棄を受けて、栃木県警の捜査一課が捜査を進めている
「両手には結束バンド、顔には粘着テープが……」「電波も届かない山奥」栃木県・全身焼損死体遺棄 第一発見者は「マネキンのようなものが燃えている」
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
ムキムキボディを披露した藤澤五月(Xより)
《ムキムキ筋肉美に思わぬ誤算》グラビア依頼殺到のロコ・ソラーレ藤澤五月選手「すべてお断り」の決断背景
NEWSポストセブン
(写真/時事通信フォト)
大谷翔平はプライベートな通信記録まで捜査当局に調べられたか 水原一平容疑者の“あまりにも罪深い”裏切り行為
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
眞子さんと小室氏の今後は(写真は3月、22時を回る頃の2人)
小室圭さん・眞子さん夫妻、新居は“1LDK・40平米”の慎ましさ かつて暮らした秋篠宮邸との激しいギャップ「周囲に相談して決めたとは思えない」の声
女性セブン
いなば食品の社長(時事通信フォト)
いなば食品の入社辞退者が明かした「お詫びの品」はツナ缶 会社は「ボロ家ハラスメント」報道に反論 “給料3万減った”は「事実誤認」 
NEWSポストセブン