仕事にストイックな安住紳一郎アナ(写真は2020年)
安住アナを心配したのは視聴者だけでないらしく、4日のTBSラジオ『爆笑問題の日曜サンデー』では、爆笑問題の二人からこの激務について、”働き過ぎ問題”と突っ込まれたようだ。安住アナは、「ネットニュースばっかり見ないでください。何でみんな、俺の勤務シフトを知っているんだろうと思って」と笑いながら返したという。自虐ネタではないが、自分をネタにして笑いを取るのも芸人顔負けのうまさがあるが、きっと苦笑いしていたのではと想像する。
バラエティー番組のMCが多かったこともあるだろうが、安住アナの表情は豊かだ。といって思い出すのは、苦笑いや困った顔、情けなさそうな顔、目を大きく開いて焦ったり慌てたような顔、口を結んでむっとしている顔などだ。明るく元気な笑顔より、そんな表情ばかりを思い出す。だからだろうか、激務と聞けばそんな表情が思い浮かび、個人的にもいささか心配になってくる。
どんな相手でも皮肉も言えば痛烈なダメ出しもする。だがこの皮肉やダメ出しも、相手とのやり取りをよく見ているとうまく計算されていることが分かる。それは相手や現場が緊張しすぎないよう、自由闊達な雰囲気を作り出しているのだ。それでいてその場の空気が緩んで気が抜けてしまわないよう、言葉のキャッチボールをしながら、ちょうどいい緊張感を保たせている。
クセのあるタレントやアクの強い芸人相手には、皮肉を飛ばすこともあれば、時にタジタジになっているように見せながら、相手をうまくいなしてしまう。それができるのは彼の持っている真面目でひょうひょうとしながら、決して都会的ではない洗練されていない雰囲気のせいもある。このどこか田舎っぽさが抜けない雰囲気は、視聴者にとって馴染みやすさや親しみやすさとともに、彼を気になる存在にさせている一因でもある。
普通のアナウンサーや芸能人であれば、姿を見かけないと心配されるが、安住アナの場合は真逆。スタジオにその姿がないと、視聴者が安心するという稀有なアナウンサーと言えそうだ。
TBSが満を持して朝の帯番組MCにエースを起用(安住紳一郎アナ)