落選の弁を述べる佐喜眞淳氏(撮影/横田増生氏)

落選の弁を述べる佐喜眞淳氏(撮影/横田増生氏)

 比嘉はコミュニティラジオ局である「ぎのわんシティFM」で、妻の節子(仮名)と一緒に番組を持っており、今年3月、佐喜眞をゲストに呼び、基地問題や知事選への抱負などを聞いている。比嘉は先の既成祝福にも佐喜眞と同行した。

 この件について、ラジオ番組の収録が終わるのを待ち、比嘉に話を聞いた。

──夫婦とも旧統一教会の信者なのか。
「そうだ」

──佐喜眞との付き合いは彼の父親の時から始まっていると聞いている。
「そうだ」

──佐喜眞は、台湾の既成祝福に関して、旧統一教会のイベントだと知らなかったと言っているが。
「それは佐喜眞さんに聞いてよ」

──目の前で結婚式が行なわれる既成祝福に参加して、知らなかったというのは不自然すぎないか。
「佐喜眞さんが知らないと言っているんだから、知らなかったのだろう」

──これからは旧統一教会とのつながりを絶つとも言っている。
「佐喜眞さんがそう言っているのなら、それでいいんだと思っている」

 選挙期間中、那覇市内で選挙遊説をしている佐喜眞にも聞いてみた。

──宜野湾市在住の比嘉氏を知っているか。
「うん!?……」

──比嘉良雄さんと節子さんの夫妻のことだ。
「……」

──あなたは今年3月、2人がパーソナリティを務める番組に出演しているが。
「……」

──そうやって旧統一教会の問題について説明を拒む姿勢が、有権者離れを起こしてはいないのか。
「……」

 こちらの問いかけには終始無言のまま、佐喜眞を乗せた選挙カーは走り去った。

(第3回につづく。第1回から読む

【プロフィール】
横田増生(よこた・ますお)/1965年福岡県生まれ。関西学院大学を卒業後、予備校講師を経て、アメリカ・アイオワ大学ジャーナリズム学部で修士号を取得。1993年に帰国後、物流業界紙『輸送経済』の記者、編集長を務める。1999年よりフリーランスとして活躍。2020年、『潜入ルポ amazon帝国』で第19回新潮ドキュメント賞を受賞(『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』と改題し新書化)。近著に『「トランプ信者」潜入一年 私の目の前で民主主義が死んだ』

※週刊ポスト2022年9月30日号

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