音楽評論家・富澤一誠氏『DESIRE ─情熱─』
歌声を聞きたい
「聖子と明菜といえば、聖子は清純派で、明菜はどこか闇を抱えているという、光と影のような関係でした。この2人がライバルだったからこそ、昭和の歌謡界が盛り上がったといえます。その意味で私は、『DESIRE ─情熱─』を選びたい。明菜の持つ影の部分を表現した、ロックテイストのある歌謡曲です。一度聴いたらサビが頭から離れず、カラオケでもよく歌われています。阿木燿子と鈴木キサブローというヒットメーカーが曲に落とし込んだ世界観を、明菜が見事に演じ切った名曲といえます」
【プロフィール】
富澤一誠(とみさわ・いっせい)/1951年生まれ、長野県出身。音楽評論家、尚美学園大学副学長。東大在学中から音楽評論家として活動。レコード大賞審査員、日本作詩大賞審査委員長などを歴任。
写真/女性セブン
※週刊ポスト2022年10月7・14日号