数値をどう見るかが大切(イメージ)
数値をどう見るかが大切だということだ。
血液中の赤血球の色素とブドウ糖の結合割合を示すHbA1cは血糖値の2か月間の平均値を示す指標だ。日本や世界の糖尿病学会では6.5%以上が糖尿病の基準値。大櫛氏は「血糖値は、基準値を超える前の段階でも注意が必要」と語る。
「糖尿病は自覚症状がなく眼、脳、心臓、腎臓など全身に合併症を起こします。気にするべきなのは毎年の数値の変化。糖尿病は一度発症すると根治は難しく、食事制限や薬などで血糖値をコントロールしていくしかないので、変化を見て事前に予防することが重要です」
一方、数値をもとに過剰な医療につながる懸念のある項目も。高くなると痛風や尿路結石症を発症するとされる尿酸値は、基準値が2.1~7.0mg/dl。大櫛氏は「投薬による数値の低下に注意が必要」だという。
「尿酸値が8.0くらいで痛風などの可能性が高まるので概ね基準値は正しい。ただし、投薬による治療となると注意が必要です。尿酸降下薬には肝機能障害を引き起こし、肝硬変に繋がる可能性があります。また、尿酸は体の炎症を抑える抗酸化作用があるので、低下しすぎるリスクもある。数値を下げすぎるとがんや認知症などにつながる懸念があります」
薬を飲んで数値を下げればいいと安易に考えることにも、リスクがあるわけだ。
※週刊ポスト2022年10月28日号