睡眠薬が体内で“蓄積”
炎症を抑えるためなどに用いられる経口ステロイドも掲載されている。
「ステロイドはよく効く反面、胃潰瘍や免疫低下による感染症などの副作用を起こすケースがあります。また糖分の代謝に影響し、血糖値を上げてしまう。糖尿病を悪化させたり、発症させたりすることもあるのでさらに注意が必要です」(同前)
不眠に悩む高齢者などが処方されることの多いベンゾジアゼピン系の睡眠薬や抗うつ薬にも注意したい。秋津医院院長の秋津壽男医師が言う。
「高齢の患者さんは“不眠恐怖症”のような方が多く、診察時に睡眠薬を求める方が非常に多くいます。夜、眠れないので服用し、朝はすっきり起きられるなら問題はないでしょう。
しかし、高齢になると若い人と同じ量を服用しても、その日のうちに代謝しきれず、前日の薬が体内に残っている状態で次の日の薬を飲んでしまうことが多々あります。体内に薬が蓄積していき、日中からボーっとしたり眠気に襲われることもある。転倒リスクが高まります。眠れない時は、予定がなければ朝まで起きていればいい。翌日は早く眠れるようになるはずです」
これまで飲み続けてきた薬といえども、漫然と飲み続けてはいけない。
※週刊ポスト2022年11月11日号