お客さんとのやりとりや、出先で見聞きしたことがいきいきと再現されるが、とくにメモをとったりはしていないそうだ。
「すごく面白いことがあると、ツイッターでつぶやくことはあります。雑誌の締め切りがくると、自分のつぶやきを見直して、細部を思い出しながら書いていきます。忙しくて何もつぶやいていないと、『今月、何にも思い出せない』なんてことになって慌てますね。ニュースを見返して、そのとき起きたことをもとに必死で思い出したりしています」
【プロフィール】
向井透史さん(むかい・とうし)/1972年東京生まれ。早稲田の古書店「古書現世」の2代目店主。店を継いだ1990年代半ばの頃について本書にこう記す。≪当時はまだ本が売れており、なんていい仕事なんだと思っていたが、まさかこんなに急落する未来が待っているとは(十代の俺、貯金しろと言いたい……)≫。著書に『早稲田古本屋日録』(右文書院)、『早稲田古本屋街』(未来社)がある。
取材・構成/佐久間文子
※女性セブン2022年11月24日号