かつては一般的だった家族でテレビを囲んでだんらん(イメージ、Black Star/時事通信フォト)
だがSNSやツイッターにそんな書き込みがあふれているという事は、”見ない”といっているのが、必ずしもお年寄りや年配の人たちだけではないということになる。SNSにすすんで書き込みをするお年寄りはごく少数派だろうし、そもそも不満を持つ人たちは、今まで見ていたから、”見ない”とコメントしている可能性が高いからだ。
今の若い人たちは、ダウンロードやストリーミングで自分の好きな時に好きなアーティストの曲を聴く傾向が強い。それは紅白にも当てはまるのではないか。好きなアーティストは見ても、数時間もの番組を視聴し続けるとは考えにくい。だが長年、紅白を見続けてきたシニア世代の人たちは違う。歌手だけではなく、番組として楽しんできた。そういう人たちと一緒に若者もテレビを囲み団欒するのが紅白の良い所だったのに、新しいアーティストを増やしてシニア世代の人たちまで見なくなったらどうなるのだろう。
NHKには視聴率だけではなく、若者のテレビ離れを危惧し、若い視聴者を意識した番組作りで将来的な受信料を確保したいということもあるらしい。その方針が色濃く表れたのが、紅白歌合戦なのだろう。NHKの受信料は家にテレビが置かれていなければ徴収することができない。しかし若者の間では、テレビを持たない、持っていないという層が増えつつあるといわれている。パソコンやスマホでドラマも映画も見られるからだ。
これからの日本で人口が増加するのは圧倒的にシニア層で、受信料を払うのもシニア層が増えるはず。そんなシニア層をおいてけぼりにして、大丈夫ですか、NHKさん?