芸能

「コントのTBS」にフジテレビが待った!港社長就任で加速する「笑いのフジ」の姿勢

『The CONTE』

『THE CONTE』でTBSに対抗!?(公式HPより)

 今、多くのコント番組を放送するTBSは「コントのTBS」というイメージが定着している。それに待ったをかけているのがフジテレビだ。その本気度について、コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 28日(土)21時から大型コント特番『THE CONTE』(フジテレビ系)が放送されます。『THE CONTE』は、「日本を代表するコント師たちが集結し、今“最も自信のあるコント”を披露し合う、まさにコントの祭典」というコンセプトの特番。

 MCを務める東京03、かまいたちのほか、かもめんたる、空気階段、ザ・マミィ、さらば青春の光、サンドウィッチマン、ジャングルポケット、ゼンモンキー、チョコレートプラネット、天才ピアニスト、ニューヨーク、ハナコ、ビスケットブラザーズ、わらふぢなるお、さらに『THE CONTEへの道』優勝芸人1組を加えた16組のコント師が出演します。

 番組名、コンセプト、出演者……いずれも全く奇をてらったところのない王道のコント特番であることがわかるのではないでしょうか。『THE CONTE』は昨年8月に続く2度目の放送ですが、前回から約15分拡大したことも含め、“コント”というエンターテイメントに懸けるフジテレビの本気や自信が感じられます。

かつて「コントといえばフジ」だった

 しかし現在、「コント」と聞いて多くの視聴者が思い浮かべるテレビ局はTBSでしょう。2008年から15年連続でコント日本一決定戦『キングオブコント』(TBS系)を生放送しているほか、歴代王者を集結させ、松本人志さんもコントを披露する『キングオブコントの会』の印象も強く、「コントのTBS」というブランドを確立させています。

 つまりフジテレビにとっては、「TBSのイメージがついたコントを取り戻す」という戦略が必要であり、実は王道のコント特番『THE CONTE』に至る前から、数多くの企画を投入していました。

 まず2020年8月にサンドウィッチマン、バイきんぐ、かまいたちなどが集結するコント特番『ただ今、コント中。』を立ち上げ、この約2年半で5回放送。次に2021年1月3日にコント特番『新しいカギ』を立ち上げ、同年4月に早くもレギュラー化し、現在はフジテレビバラエティ伝統の土曜20時台で放送しています。

 さらに2021年9月には、ドリフターズの名コントに現役芸人たちが挑むコント特番『ドリフに大挑戦スペシャル』を立ち上げ、今年元日まで3度放送。2021年11月にも、プロ野球のドラフト会議形式でメンバーを決めて競い合うコント特番『ドラフトコント』を立ち上げ、2年連続で放送しています。

「フジテレビとTBSのコント対決」という図式で思い浮かぶのが、1980年代に土曜20時台でしのぎを削った『オレたちひょうきん族』VS『8時だョ!全員集合』。しかし、その後フジテレビは、『志村けんのだいじょうぶだぁ』『とんねるずのみなさんのおかげです』『夢で逢えたら』『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』『ダウンタウンのごっつええ感じ』『笑う犬シリーズ』『ワンナイR&R』『はねるのトびら』などのコントをフィーチャーした番組を次々に放送し、「コントと言えばフジテレビ」のイメージを定着させました。

 ところが2000年代後半に入ると、フジテレビだけでなく全局からコントをフィーチャーした番組が激減。『キングオブコント』がスタートして以降は、「コントと言えばTBS」のイメージがジワジワと浸透していきました。だからこそフジテレビがそれまで約20年にわたって手にしていた「コントに強いイメージを取り戻そう」という意識が高まるのは当然かもしれません。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷の母・加代子さん(左)と妻・真美子さん(右)
《真美子さんの“スマホ機種”に注目》大谷翔平が信頼する新妻の「母・加代子さんと同じ金銭感覚」
NEWSポストセブン
トルコ国籍で日本で育ったクルド人、ハスギュル・アッバス被告(SNSより)
【女子中学生と12歳少女に性的暴行】「俺の女もヤられた。あいつだけは許さない…」 執行猶予判決後に再び少女への性犯罪で逮捕・公判中のクルド人・ハスギュル・アッバス被告(21)の蛮行の数々
NEWSポストセブン
二階俊博・元幹事長の三男・伸康氏が不倫していることがわかった(時事通信フォト)
【スクープ】二階俊博・元自民党幹事長の三男・伸康氏が年下30代女性と不倫旅行 直撃に「お付き合いさせていただいている」と認める
NEWSポストセブン
雅子さまにとっての新たな1年が始まった(2024年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)
《雅子さま、誕生日文書の遅延が常態化》“丁寧すぎる”姿勢が裏目に 混乱を放置している周囲の責任も
女性セブン
M-1王者であり、今春に2度目の上方漫才大賞を受賞したお笑いコンビ・笑い飯(撮影/山口京和)
【「笑い飯」インタビュー】2度目の上方漫才大賞は「一応、ねらってはいた」 西田幸治は50歳になり「歯が3本なくなりました」
NEWSポストセブン
司忍組長も姿を見せた事始め式に密着した
《山口組「事始め」に異変》緊迫の恒例行事で「高山若頭の姿見えない…!」館内からは女性の声が聞こえ…納会では恒例のカラオケ大会も
NEWSポストセブン
浩子被告の顔写真すら報じられていない
田村瑠奈被告(30)が抱えていた“身体改造”願望「スネークタンにしたい」「タトゥーを入れたい」母親の困惑【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
「好きな女性アナウンサーランキング2024」でTBS初の1位に輝いた田村真子アナ(田村真子のInstagramより)
《好きな女性アナにランクイン》田村真子、江藤愛の2トップに若手も続々成長!なぜTBS女性アナは令和に躍進したのか
NEWSポストセブン
筑波大学・生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことがわかった悠仁さま(時事通信フォト)
《筑波大キャンパスに早くも異変》悠仁さま推薦合格、学生宿舎の「大規模なリニューアル計画」が進行中
NEWSポストセブン
『世界の果てまでイッテQ!』に「ヴィンテージ武井」として出演していた芸人の武井俊祐さん
《消えた『イッテQ』芸人が告白》「数年間は番組を見られなかった」手越復帰に涙した理由、引退覚悟のオーディションで掴んだ“準レギュラー”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン