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米メンフィスでパンダ死亡、愛護団体は虐待が原因と主張 米中間の新たな火種になるか

中国動物園協会が専門家チームを派遣して米国の専門家と調査

中国動物園協会が専門家チームを派遣して米国の専門家と調査することに

 中国から米南部テネシー州メンフィスの動物園に貸与されていたオスのジャイアントパンダが2月1日に亡くなったことについて、メンフィスの動物愛護団体が動物園側の虐待が原因だと指摘した。動物園側は否定しているが、中国動物園協会が専門家チームを派遣して米国の専門家と調査することになった。

 最近では、中国の大型気球が米国領空内に飛来、米国内では軍事偵察目的との見方が強まり、米軍が撃墜するに至った。ブリンケン国務長官の訪中が延期になるなど米中間での外交問題に発展しており、仮にパンダ虐待の事実が真実だとすれば、両国間の火種が一つ増えることになる。AP通信など米メディアが報じている。

 死んだのはオスのパンダ「楽楽(リーリー)」で、24歳だった。この動物園には、楽楽とともにメスのパンダ「雅雅(ヤーヤー)」も貸与されており、米中間の協定により、20年間の貸与期間が終わり、2月にも中国に返される予定だった。

 動物愛護協会側は以前から「2頭のジャイアントパンダが虐待されている」と動物園側に改善を求めていた。具体的には、2頭のパンダが「肉体的、精神的、感情的な剥奪」に苦しんでいる証拠として、飼育環境が劣悪であり2頭とも皮膚病にかかっていることや、囲いの周りをぐるぐると歩き回ることを挙げている。

 市民の間からは「動物園はパンダにより良い餌を与え、より多くの自由時間を与え、パンダを保護施設に移すよう」求める声が出ていた。

 動物園のマット・トンプソン社長兼CEOは記者会見で、「楽楽は眠るように安らかに亡くなっており、病気の兆候もなく、その死は突然で予期せぬことだった」と説明したうえで、「楽楽が死に至るまでの数日間のビデオ映像には、異常があったことを示すものは何もなかった」と述べている。

 中国動物園協会は、適切に飼育されていたと認定しているが、専門家チームがメンフィスを訪れ、米国の獣医師らとともに、死因を解明すると発表している。

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