女性と歩く玉川氏。パートナーとされる《写真は2022年》
では玉川氏の出番が減って、他のコメンテーターはどう変化したかというと、唯我独尊の長嶋一茂や石原良純は別として、誰とは言わないが、何とか玉川氏の代わりをしようと、自分のキャラにないことを言ったり、やろうとしてみたりして、やや空回りしているような場面が時折、見られたものだ。
外野ながら、「玉川さん、早く戻って来て!」 と思っていたところ、最近は、取材に出て、そのコーナーのみスタジオで解説するというパターンがジワジワと崩され、気が付くと玉川氏がコメンテーター席に座っている日を何度か見かけた。
前述の、ペットにまつわるコメントや、片岡気象予報士とのストレッチコーナーへの参加はまだだが、また、そんな日が訪れる予感もしている。
玉川氏が「特別扱い」の理由は数字を持っているから?
私は、玉川氏に謹慎処分が下った直後に読んだ、テレビ朝日の社会部出身で、現在はプロデューサー、演出、ライター、江戸川大学非常勤講師でもある鎮目博道氏によるコラムが忘れられない。わずか「出勤停止10日間」という処分や、“玉川氏頼り”で番組制作を続けることへの異論がメインだったが、玉川氏を「すべてが特別扱いの、優秀な先輩」「特異な立ち位置」「どちらかと言えば敵も多い」「記者出身ではない」「情報番組歴が長いディレクター」と、OBならではの正確な情報に基づく“玉川評”が記されていた。
鎮目氏は、玉川氏が「特別扱い」となった理由を「数字を持っている」からとし、玉川氏が画面に登場すると「びっくりするほど」「急上昇」と重ね、視聴率の毎分グラフに山ができる様子をテレビマンらしく表現していた。
鎮目氏の指摘は、どれも玉川氏と共に仕事をしてきたからこそのものであり、「数字をもっている」から「よし」という判断はしていない。
だが、謹慎処分を経て、現場取材の大切さを肝に銘じ、事実確認をしてから報告をすると明言した「数字を持っている」玉川氏の出番を少しずつ増やしていこうと『~モーニングショー』の現場が考えるのは当然のこと。『朝日新聞』にもそれだけ投書が来ているのなら、テレビ朝日にも同様の”声“が相当数、届いていることだろう。
個人的には、片岡気象予報士と共にワンポイントストレッチを張り切って行う玉川氏はチャーミングなので嫌いじゃない。果たして、玉川氏は今後どんなふうに出演時間を増やしていくのだろう。そして今年の年間視聴率に玉川氏がどれだけ貢献するのか。見守っていきたい。
◆山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!』(メ~テレ)、『アップ!』(同)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。