プロ野球で活躍する新庄剛志氏の母校でもある西日本短大付高校はスポーツの強豪校
「昨年夏に子供が寮から戻ってきた当初は過呼吸になったり、報復を恐れて何も話そうとはしなかったそうです。ようやく落ち着き、『自分よりも人がやられているのを見ているのが辛かった』と話したそうです。
監督は思い通りに動けない選手を部員たちで囲ませて、ダメなところを同級生や下級生たちに言わせ、部員同士でビンタをさせることもあったそうです。コーチは『叩け』とは言わず、『叩けばいいやん?』と促す言葉がスタートの合図で、叩かなかったりした部員は怒られ、仕方なく仲間を叱責させられる。この2年半で子供たちの精神はボロボロの状態になっていったのです……」
学校関係者を取材すると、
「『邪魔だ』『辞めてくれ』『ブス、デブ』など指導者の度重なる暴言で多感な年頃の部員たちはこの2年以上、否定され続けました。中には『社会不適合者』と言われた子供もいます。辞めてから4か月経った今も『眠ると夢で監督とコーチに怒られてしまうから寝たくない』『自分たちが悪いから監督たちが辞めさせられてしまったんじゃないか』と、自分を責めている子もいたそうです」
中学時代に怒られ続け「大好きなバレーが嫌いになった」という経験から現在、「監督が怒ってはいけない大会」を開催している女子バレーボール元日本代表の益子直美さん。彼女は自身のホームページで子供を追い込む指導に警鐘を鳴らしている。
《「怒る指導」は心の成長を阻止し、考える機会を奪います。将来の夢や目標ができた時、必ず壁が立ちはだかります。その壁を乗り越えるために心の基本、「強い意志」を作っておかなければなりません。(略)根性がない!気合が足りない!と脱落させる指導ではなく、スポーツは楽しいと思え、自らで考え行動でき、継続できるような環境にして欲しい》
引退後もトラウマで不安定な日もあるという部員たち。後編では、西短女子バレー部の寮で指導者が部員にさせていた「酒盛り支度」「暴言」ほか、大荒れとなった緊急保護者会での指導者の発言内容について詳報している。
(後編に続く)
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