学校幹部も出席した緊急保護者会は1時間を超え、涙する母親もいた
長年同校の女子バレーボール部を率いていたこの監督は、チームを春高バレーに出場するまでに育て上げ、体育教師を経て、定年後は外部コーチといった契約で監督を務めていた。
「西短は伝統的に守りのバレーで、全盛期はブロックなしで相手に打たせて6人で守り切るというのがチームカラーでした。2016年に2年連続で福岡県代表として春高バレーにも出場しました。練習に加え、寮で私生活も管理されていて、部員は全学年が監督の所有する2階建てアパートで寮生活を送っていました。
寮には指導者用の部屋も別にあり、同校OGで20代からコーチを務めていた女性コーチが寮に寝泊まりすることもよくありました」(同前)
寮は学校から自転車で10分ほどの距離にある。
「寮での規律は厳しく、買い出しから料理、洗濯を部員自ら行います。先輩の許可が出れば共有の携帯で10分だけ電話ができますが、基本的に携帯電話の使用は禁止されています。保護者が練習や試合の見学をすることは監督の許可がなければできず、寮を訪問することさえも許されません」(同前)
西短のバレーに憧れ、有望な小中学生たちが同校の練習を見学に来ると、「うちに絶対来いよ」と、やさしく声を掛けるのが同監督だった。しかし、引退させられて寮から戻ってきた子供から、保護者たちは耳を疑う数々の指導内容を聞かされた。保護者の知人が語る。