にんにくも(写真/アフロ)
フードコンサルタントの小倉朋子さんは、しょうがの持つバラエティーの豊富さに一票を投じた。
「炒め物の具材として使ったり、スープやカレーなどの煮込み料理に加えるのはもちろん、スライスして乾燥させて砂糖をまぶせば、体を温める干し菓子になります」
管理栄養士で温活料理研究家の渡辺愛理さんのイチオシメニューはしょうが鍋だ。
「熱を加えたしょうがをスープと一緒に食べることで、体の芯からぽかぽか温まります。具材に温熱効果のある野菜を一緒に入れれば、栄養バランスもばっちりです」
具材の野菜は、ランキングから最適なものを選ぼう。上位にランクインしている「かぼちゃ」「長ねぎ」「玉ねぎ」はどれもしょうがと相性がいい。管理栄養士の堀知佐子さんが解説する。
「かぼちゃに含まれる『ビタミンE』には血行を促進して体を温める効果が期待できます。その含有量はほかの野菜と比較してもダントツで、3.7倍だといわれている。長ねぎが含む辛み成分の『アリシン』や、白い部分に多い『ネギオール』にも、血行を促進して体を温め、発汗を促す効果があります」
石原さんは玉ねぎの血流改善効果に注目する。
「血管拡張効果の高い『アリシン』と血液サラサラ作用のある『ケルセチン』の相乗効果で血行がよくなります。ケルセチンには免疫力を上げ、老化を防ぐ抗酸化作用もあり、積極的に摂りたい野菜の1つです」(石原さん)
こしょうひと振りで体温が上がる
しょうがと同様、2位の「にんにく」も「加熱」が効果を高めるためのキーワード。管理栄養士の磯村優貴恵さんが解説する。
「にんにくの辛み成分『アリシン』は、加熱することで『スコルジニン』という成分に変化し、血流改善効果が期待できます。
加えてアリシンには糖質をエネルギーに変換する際に役立つ栄養素『ビタミンB1』が体内に長く留まるように働きかける特徴も。ビタミンB₁によってエネルギーがうまく代謝されれば、スタミナに満ちた疲れにくい体を作ることにつながります。にんにくは、豚肉や玄米など、ビタミンB1をたっぷり含んだ食品と一緒に摂ることを推奨します」
にんにくたっぷりの豚のしょうが焼きに玄米を添えれば、完璧な「温活定食」になる。
食品そのものに加え、調味料も使い方次第で強い味方だ。
「料理にこしょうをひと振りすれば、温め効果を瞬時に感じることができる。特に黒こしょうに含まれる『ピペリン』は、神経伝達物質であるアドレナリンの放出を促し、体の中で熱やエネルギーを生み出す酵素の働きを促進してくれます。
代謝を上げる働きと、血管を拡張して血流をスムーズにする両方の効果が期待できるのです」(小倉さん)
※女性セブン2023年2月23日号
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