争奪戦必至の今永(時事通信フォト)
同じく左腕の加藤は昨季8勝7敗1ホールド、防御率2.01と白星には恵まれなかったが、先発投手が6イニング以上を投げ、かつ3自責点以内に抑えた時に記録されるクオリティースタート率が85.7%、WHIPが0.91といずれもリーグトップ。抜群の制球力を誇り、シーズン与四球がプロ野球最少記録の11と72年ぶりに更新した。今年は日本ハムの新球場・エスコンフィールド北海道で迎える3月30日の楽天戦で、開幕投手に指名されている。エースの上沢直之、侍ジャパンに選出された伊藤大海を差し置いて、初の大役を託されたことが、新庄剛志監督の高い信頼を物語っている。スポーツ紙デスクはこう語る。
「今永はメジャー志向が強いと言われているが、FA権を行使して国内他球団の移籍を視野に入れるなら争奪戦になることは必至でしょう。『投げる哲学者』と呼ばれ、野球に取る組む姿勢も若手の良きお手本です。左のエース格になれるし、獲得のプラスアルファは計り知れない。加藤は昨オフに6200万円増の推定年俸1億3500万円で単年契約を結びました。大幅アップですが、実力を考えれば破格の安さでしょう。プロ7年間で2ケタ勝利を挙げたシーズンは一度もないが、ショートスターターやリリーバーを務めるなどチームを支えてきた。
加藤は道新スポーツのインタビューで『メジャーは100%ない』と語っている。日本ハムは当然全力で慰留すると思いますが、他球団も熱視線を送っている。オフに権利を行使すれば、巨人も獲得に興味を示すのではないか」
巨人は低迷期にFA補強で、チームを立て直してきた歴史がある。原辰徳監督は来季が3年契約の最終年。今年の成績次第では、FAで他球団のエースの獲得に動く可能性は十分に考えられる。
開幕投手に指名された加藤貴(時事通信フォト)
今オフはFA戦線に参加せず。新戦力は長野らベテランと外国人のみ(時事通信フォト)