橋本環奈も出演
さらに昨年4月スタートの『あしたの内村!!』は、これまでの番組以上に苦戦。視聴率と話題性の両面で低迷したことで、放送そのものが少なく、何度も打ち切りの危機が報じられてきました。まだ春以降の編成は正式発表されていませんが、フジテレビにとって重要な月9ドラマの前番組だけに、低迷のイメージを「スカッと」でいったん払拭しておきたいところでしょう。
3つ目の背景は、『スカッとジャパン』と『明日の内村!!』でMCを務める内村光良さんにこれ以上、「低迷」というイメージをかぶせられないこと。
現在、内村さんのレギュラー番組は日本テレビとテレビ東京が中心で、日本テレビ、TBS、NHKが複数の特番を放送しています。フジテレビは基本的に『あしたの内村!!』だけですが、前述したように同番組はいつ打ち切られても不思議ではない状況。長年にわたる内村さんとの縁を継続していくためには、少なくとも『スカッとジャパン』を定期特番化しておきたいところです。
4つ目の背景は、番組制作における収支面。『スカッとジャパン』が全盛期のように若手俳優やアイドルを多用して若年層の視聴者をつかめる特番であれば、それなりのスポンサー収入が期待できますし、一方でセットやキャストなどで費用を抑えることができるでしょう。
一方で新しい特番は営業や費用の面で厳しさがあり、よほどパイロット版の反響がいいものでなければゴールデン帯での放送は難しいだけに、『スカッとジャパン』にかかる期待は大きくなりそうです。
『スカッとジャパン』がスタートした2014年秋は、ドラマ『半沢直樹』(TBS系)の大ヒットから続いていた「悪を成敗する」という痛快劇ブームの真っただ中でした。サブタイトルにある「痛快TV」というコンセプトは、令和の今なお受け入れられるのか。今後の行方を左右する重要な特番になりそうです。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
神田愛花(撮影/ロケットパンチ)
橋本環奈