白鵬の断髪式。YOSHIKIがハサミを入れた
「大鵬さんの後を継ぐ」
スポーツ紙の担当記者も「白鵬のやり方は非常に上手い」と評する。
「スポンサーから集めたお金があるから、旅費や宿泊費を負担するかたちで海外チームを招待できる。今回も戦禍にあるウクライナのチームを招待しています。選手5人に加え、指導者や家族など10人が、ポーランドでビザを取得し、フィンランド経由で来日した。費用は約100万円だったといい、そういった情報も公開するから記事にもなりやすい。
ウクライナチームは白鵬の宮城野部屋で稽古をさせていました。チームには15歳で187センチ、170キロという選手もいたが、鳥取城北高に相撲留学をさせることも視野に入れているといいます。モンゴルでは白鵬杯に出場するための国内選考会があり、そうしたプロセスを踏んでから招待することで海外の有望な選手リストとなっていく。実際、今回のモンゴル代表は選考会で選ばれた9人と、白鵬杯で活躍したことで白鵬が紹介した日本の中学に相撲留学中の2人が参戦している。白鵬は“相撲がある20か国をすべて招待したい”と意気込んでいます」
昭和の大相撲のスターである元横綱・大鵬は生前に献血運搬車「大鵬号」を全国に70台寄贈するなどの社会貢献活動を行なってきたが、それをなぞるような取り組みもしている。
「白鵬は、大鵬さんのことを“角界のオヤジ”と慕っており、運搬車の寄贈、献血の普及に取り組んでいます。これも本来は協会がやらないといけないことでしょうが、白鵬が2枚も3枚も上手という状況です。ただ、あまりに目立つパフォーマンスに協会幹部らが反発を募らせれば、角界特有の“出る杭は打たれる”ということにもなりかねない。角界の改革を掲げて理事になったものの、追われるように協会を去ることになった貴乃花の二の舞にならないかが心配されます」(前出・担当記者)
現役時代の白鵬と貴乃花親方は“犬猿の仲”で知られたが、歩む道筋が重なることはあるのだろうか。
※週刊ポスト2023年3月3日号