白鵬(はくほう)

白鵬のプロフィール

年齢:37歳
生年月日:1985年03月11日
趣味・特技:読書
身長:192cm
出身地:モンゴル
最終更新日:2022年06月16日

白鵬の最新ニュース

松鳳山
人気力士・松鳳山「引退後は親方にならず退職」の裏に70歳再雇用と名跡不足の大問題
 7月場所の番付発表を5日後に控えた6月22日、元小結で38歳という現役最年長関取の松鳳山が引退届を提出。日本相撲協会は受理したと発表し、6月28日に本人の会見が行なわれる予定だ。長く人気力士として活躍した松鳳山だが、引退後は協会に残らない道を選んだ。その背景には、複雑な事情が見え隠れする。 今回の引退表明について、相撲担当記者はこう話す。「先の5月場所は東十両12枚目だったが、8日目から連敗が止まらず11日目に負け越しが決まった。3勝12敗となり、次の7月場所は2011年5月場所以来の幕下陥落が濃厚になっていた。年齢的に幕下からの復帰が厳しいとの判断だが、引退後は協会には残らないという」 力士が引退後に親方として相撲協会に残るためには、105ある「年寄名跡」のいずれかを取得する必要がある。取得には日本国籍を有するとともに、最高位が小結以上、幕内在位通算20場所以上、十両以上在位通算30場所以上のいずれかの条件を満たさなくてはならない。 つまり、幕内通算在位51場所の松鳳山には、襲名の資格がある。序二段で1回、幕下で2回、十両で1回の優勝経験があり、殊勲賞を1回、敢闘賞は3回受賞している。金星も5個獲得し、突き押しの激しい相撲で人気を集めた。通算成績は582勝605敗22休。知名度や実績は十分だ。しかし、松鳳山は退職の道を選んだ。「駒大相撲部から若嶋津(元大関)が興した松ケ根部屋(当時。現・放駒部屋)に入門した。前相撲からスタートし、初土俵から25場所で十両に昇進すると、関取の座を11年間(幕内通算51場所、十両通算17場所)守った。部屋で初の三役力士となるなど、看板力士として活躍したが、年寄名跡取得のメドが立たなかった」(前出・相撲担当記者)師匠は元・稀勢の里と名跡交換 現役中に年寄名跡が取得できない場合、借株を渡り歩いて定年などで空く年寄名跡の取得を目指すことが多い。現在、高砂一門の「錦島」(2021年6月退職の元大関・朝潮所有)と伊勢ケ浜一門の「友綱」(2022年6月退職の元関脇・魁輝所有)が空き株になっている。ただ、松鳳山は借株でも協会に残らなかった。協会関係者がこう言う。「本来、部屋の功労者は師匠から年寄名跡を譲り受けるものだった。先代の遺族の面倒を一生見ることなどが条件とされたが、今は一時金を支払って買い取るようなかたちになっている。そのため資金力のある力士が取得することになる。部屋の力士より一門の力士、一門の力士より他の一門の力士に譲ったほうが高い価値になる。表向きは売買が禁止されているが、指導料などのかたちでの先代との金銭のやり取りもあり、旧態依然とした年寄名跡の制度が大きな壁となった」 今回、好角家たちがクビを傾げたのは、師匠である元・若嶋津が1月場所中に65歳の定年を迎えていたにもかかわらず、弟子の松鳳山に年寄名跡を譲らなかったことだ。もともと「二所ノ関」の名跡を所有していたが、昨年12月、元横綱・稀勢の里と名跡を交換し、荒磯親方として定年後の再雇用制度を利用して参与として協会に残っている。相撲ジャーナリストが言う。「松ケ根部屋を興した元・若嶋津は、その後、名跡交換して二所ノ関部屋となった期間も通じて7人の関取を育てた。その出世頭が松鳳山だった。それゆえ、松鳳山が部屋を継承するものと見られていたが、定年直前の昨年12月に部屋付きの放駒親方(元関脇・玉乃島)に弟子を引き継ぎ、『放駒部屋』と改称。元・若嶋津は部屋付き親方となった。この段階で松鳳山に名跡を譲ることもできたが、若嶋津は参与として協会に残る道を選んだわけです。 背景には、師匠と弟子の間の“距離感”の問題があったとみられます。元・若嶋津と松鳳山は手が合わないことで知られている。松鳳山は相撲に対しては真摯だが、私生活で手を焼くところがあった。2010年の野球賭博事件でも、賭博に関与していたうえに、それを申告せず本場所に出場していたことが発覚。解雇されるところだったが、師匠の尽力により2場所出場停止で収まった経緯がある。そうしたこともあってか、元・若嶋津は松鳳山よりも、役場勤務から脱サラして角界入りした幕内力士・一山本のほうをかわいがっているという。5年後に一山本に名跡を譲るのではないか」 年寄名跡は一門の勢力とも密接に関係する。各一門の利益代表を選ぶ意味合いを持つ理事選においての「1票」になるからだ。そのため一門外に出ることへのハードルが高いが、一門内での受け渡しには寛容だ。つまり、松鳳山も二所ノ関一門内で取得を試みることはできたはずだが、そうした動きを見せた形跡がないという。前出・協会関係者が続ける。「一門の重鎮の尾車親方(元大関・琴風)は、元・若嶋津とは4大関時代のライバルであり盟友。他にも、同期であり同じ二子山部屋に所属した花籠親方(元関脇・大寿山)が理事として一門内の影響力が強いなど、松鳳山は師匠である元・若嶋津の協力がなければ一門内でも手当てが難しい状況があった」元横綱・白鵬も取得に苦労した もちろん、背景には慢性的な年寄名跡不足という問題もある。優勝44回の元横綱・白鵬でさえ年寄名跡「間垣」を取得するのに苦労した。時津風親方の元前頭・時津海の時津風親方が不祥事を起こして2021年2月に退職していなければ、襲名することができなかったともいわれている。2019年の元関脇・逆鉾の急逝によって閉鎖された井筒部屋の再興を志しているとされる元横綱・鶴竜も、横綱経験者は引退後も5年間まで現役名で親方として協会に残れる特権を利用して年寄名跡が空くのを待っている状態だ。若手親方はこう嘆く。「問題の根源は2014年に導入された70歳までの再雇用制度でしょう。現在、65歳以上の親方が参与として5人が再雇用されているが、これにより名跡の循環が悪くなった。ひと昔前は肥満が原因で定年前に亡くなることが多かったが、最近は角界も長寿社会となった。さらに70歳までの再雇用制度ができたことで、悪循環に陥っている。名跡の数は105と決まっており、慢性的に不足するようになった。 65歳から70歳までの再雇用期間の親方の給与はそれまでの70%とされ、5年間で約4000万円。65歳で年寄名跡を譲る場合、取得する側は費用としてその分を上乗せしなくてはならないというから、さらにハードルが上がることになる」 今後、松鳳山のような力士が続出すると予想されるが、再雇用制度の見直しが求められる展開もありそうだ。
2022.06.24 18:30
横綱昇進時の照ノ富士と伊勢ヶ濱親方
照ノ富士の師匠・伊勢ヶ濱審判部長に「取組編成が納得できない」の声が続出するワケ
 相撲協会は5月25日、番付編成会議を開き、7月場所の新十両などが発表された。先の5月場所では3大関が総崩れするなか、休場明けの一人横綱の照ノ富士が3場所ぶり7度目の優勝した。十両で優勝したのは同じ伊勢ヶ濱部屋の弟弟子にあたる錦富士だった。“ダブル優勝”を果たしたことで伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)の評価が上がりそうなものだが、そうでもないのだという。「5月場所の千秋楽の取組があまりに微妙だったので、伊勢ヶ濱親方に対する不信の念が広がっている」(若手親方)というのだ。 14日目が終わった時点で、優勝争いは照ノ富士と隆の勝が3敗で並び、4敗の佐田の海、大栄翔の4人に絞られた。不振の大関陣は千秋楽を迎える時点で正代(5勝9敗)と御嶽海(6勝8敗)の負け越しが決まっており、貴景勝が7勝7敗で勝ち越しを懸ける一番を迎えることになる状態だった。「千秋楽の取組は八百長を防ぐために14日目の幕内取組中に発表されていたが、横綱の休場が続き平幕が優勝に絡むようになったことで、阿武松審判長(元関脇・益荒雄)時代の2019年5月場所から“いい取組を組むため”ということで、14日目は打ち出し後に取組編成会議を開き、午後7時過ぎに発表されるようになった」(相撲担当記者) 先の3月場所も2敗の若隆景と高安、3敗の琴ノ若が優勝争いしていたことで、14日目の打ち出し後の取組編成会議で、関脇の若隆景は大関の正代、平幕の高安は関脇の阿炎との対戦が組まれ、ともに負けて優勝決定戦に持ち込まれた。優勝争いをする力士を上位と当てたため、正代-御嶽海という大関同士の一番が3月場所はなく、“柔軟な取組編成”となった。 それだけに、今場所は14日目を終えて11勝3敗でトップに並んだ横綱・照ノ富士の千秋楽の対戦相手が注目された。順当なら対戦相手は大関・御嶽海だが、御嶽海はすでに負け越しが決まっていた。「審判委員から、照ノ富士と対戦させるのは、前頭12枚目で10勝4敗となっていたスピード相撲の佐田の海がいいのではといった意見が出た。優勝の可能性が残されていた3力士のうち、照ノ富士が対戦していなかったのは佐田の海だけ。千秋楽の最後の一番ながら横綱と平幕の対戦が決まりかけたが、すでに負け越しが決まった大関をぶつけることに決めたのは責任者の審判部長の伊勢ヶ濱親方だった。終盤は星の潰し合いで土俵が盛り上がっていたというのに、それに水を差すものだった」(前出・若手親方) 5月場所のNHK中継で解説を務めた元横綱の北の富士さんは、千秋楽の結びの一番で照ノ富士が御嶽海をあっさり寄り切りで下すと「こんなもんか」「気迫がなかったね」とボソッと言った。北の富士さんは場所中、中日スポーツ(東京中日スポーツ)にコラムを書いているが、千秋楽翌日はコラムを休んだ。翌々日(5月24日付)に『千秋楽結びの一番にあまりにも腹が立って……つまらん取組黙認の協会にも納得できない』とコラムを書いている。この中で「照ノ富士と御嶽海のつまらん取組を作った審判部を協会が黙認したのは納得がいかない。相撲ファンを甘く見ていると、そのうちそっぽを向かれますよ」と書いている。 直近では他にも、“首を傾げたくなる取組編成”があったために、伊勢ヶ濱親方への批判が集まっているという。5月場所千秋楽の十両の取組では、12枚目で6勝8敗と負け越していた伊勢ヶ濱部屋の熱海富士が、5勝9敗ですでに大きく負け越していた大翔丸と対戦。「この時は幕下4枚目で5勝1敗だった北青鵬と入れ替え戦を組むべきだと指摘を受けていたがやはり実現しなかった」(担当記者)のだという。「北青鵬は宮城野部屋の元横綱・白鵬(現・間垣親方)の内弟子のひとり。20歳の新鋭で、身長2メートル、170キロと体格にも恵まれ、5歳から日本で生活しているモンゴル人力士。白鵬が将来の横綱と期待している。伊勢ヶ濱一門の理事の座を狙う白鵬にとっては、親方としての実績を残すための切り札ともいえる力士。白鵬は若手を中心に親方衆の評判も良く、資金力もある。一方で、伊勢ヶ濱親方は自らの弟子である照ノ富士を将来の理事にしたいのだろうが、“足を引っ張るにしてもちょっと露骨では”という声が上がっている」(二所ノ関一門の親方) 5月場所で北青鵬は幕下2枚目で5勝2敗と勝ち越し。25日の番付編成会議で十両への返り咲きが発表された。伊勢ヶ濱親方は3年後に定年を迎えるが、一門の理事の座を巡り暗闘が続くことになるのだろうか。
2022.05.28 21:43
元横綱・稀勢の里の異動がどう影響?(時事通信フォト)
元横綱・稀勢の里がNHK解説から消え審判部に異動 出世レースで“白鵬猛追”あるか
 あの名解説が聞けなくなるなんて──3月場所後に発表された職務分掌での元横綱・稀勢の里(二所ノ関親方)の「審判部への異動」を受けてそんな嘆きが聞こえてくる。 今回の異動によって階級は委員待遇年寄から委員に昇格。親方の“序列”では81番目から57番目に大躍進となった。「2019年に引退後、誰もが経験する場内警備を経て、稀勢の里は記者クラブ担当(広報部)に異動。今回は土俵脇でNHK中継に映る“花形職”の審判部となった。5月場所初日は三段目の相撲で登場。場内アナウンスで紹介されると歓声が起きた。幹部候補は様々な役職を経験するもので、今後は巡業部、地方場所担当を経て、いずれ理事長候補になるだろう」(担当記者) 出世街道に乗ったわけだが、異動を残念がる声もある。前任の広報部ではテレビやラジオ中継の解説を担っていたからだ。「現役時代の寡黙なイメージと違って解説でハキハキとしゃべり、力士の心理を代弁。取り口をプロならではの見方で解説できると評判だった。NHK側は相当ガッカリしている」(協会関係者) その稀勢の里の“後釜”となったのが、元横綱・白鵬の間垣親方である。 委員待遇年寄で親方の序列では87番目だが、場内警備から広報部に異動。NHK『サンデースポーツ』のコメンテーターも務めるなど、稀勢の里の“後継者”の位置づけだ。「NHKも売り出しに熱心で、早くから白鵬が7日目の解説に登場し、ゲスト出演するモデルのアイリさん(元大関・若嶋津の長女)らと並ぶと連日PRした。現役時代の好き放題の言動で白鵬が協会内で冷遇されるという見方もあったが、今のところいいポジションを与えられている」(前出・担当記者) 今年8月には宮城野親方(元前頭・竹葉山)が65歳の定年を迎え、後継者として部屋持ち親方になる見込みだ。「弟子の育成に注力する立場になるが、相撲協会では弟子の出世と師匠の出世はほとんど関係ない。むしろ、白鵬が出世レースで稀勢の里を抜くには、ファンの好感度アップが必須条件のひとつ。中継解説を稀勢の里以上に面白く見せられるのか、白鵬の話しぶりに注目です」(若手親方) 現役時代の実績では短命横綱に終わった稀勢の里を圧倒する白鵬だが、引退後はむしろ追いかける立場。人気獲得のための今後の言動が見ものだ。※週刊ポスト2022年5月27日号
2022.05.17 15:15
「佐々木朗希vs白井球審」の感想を大相撲の立行司に聞いてみた
「佐々木朗希vs白井球審」の感想を大相撲の立行司に聞いてみた
 今季のプロ野球で俄然注目を集めることになったのが「審判」だ。令和の怪物・佐々木朗希(20・ロッテ)に対する白井一行・審判員(44)の“詰め寄り”騒動が尾を引いているが、この状況を他のプロスポーツの審判はどのように見ているのだろうか。現在、国技館で開催中の大相撲で、立行司(行司の最高位)を務めた人物に聞いてみた。 白井球審が佐々木に詰め寄った4月24日以来の“再会”となった5月13日のオリックス-ロッテ戦(京セラドーム大阪)では、場内アナウンスで「二塁・白井」とコールされると拍手が起き、翌日のスポーツ紙も佐々木の背後に白井塁審が入り込む“ツーショット写真”を掲載した。 この日は特に事件は起きなかったものの、この3連戦では翌14日にロッテの井口資仁・監督がストライク判定を巡る抗議で退場処分に。試合後、井口監督は「退場になったって構わない。しっかりジャッジしてほしいということを言っただけ」と語った。さらに15日の第3戦では球審を務めた白井審判員のストライクコールにロッテのレアードが抗議した際、暴言を吐いたとして退場となった。 こうした騒動について、大相撲の第37代木村庄之助(72。以下「37代庄之助」)はこう語る。「私もたまたまテレビであのシーン(佐々木に白井球審が詰め寄った場面)を見ていたんです。実は大相撲でも行司の軍配に対して“差し違えじゃないのか”という顔をする力士もいるんです」「行司には野球の審判のような権限はない」 ただし、行司は野球の審判とは大きく異なると話す。最も大きな違いは、行司は判定こそ行なうものの「審判ではない」という点だ。「相撲にも行司の軍配に異議を唱える『物言い』という制度がありますが、これができるのは力士ではなく、土俵下にいる審判員(審判部に所属する親方)です。物言いがつくと土俵上で協議が行なわれますが、行司は意見を言えるものの決定権はない。もちろん信念を持って軍配を上げているのですが、行司にはプロ野球の審判のような権限はないのです」(37代庄之助) そのためか、軍配に不服な力士が行司をにらみつけたりする場面はほとんどなく、土俵下の審判員に“物言いをつけてほしい”という表情を送ることが多いのだという。言うなれば、行司は「審判員のアバター(分身)」でしかないというわけだが、プレッシャーは非常に強い。立行司が左腰に帯びる小刀には「差し違えた場合は切腹する」という意味がある。また、角界では差し違えのことを「行司黒星」と呼ぶ。「もちろん“そういう覚悟”で土俵に上がっているということで、軍配を間違えるたびに切腹はできないですけどね(苦笑)。それでも三役格以上の行司が差し違えた場合は、その日のうちに理事長に進退伺を出ださないといけません。1場所で2度の差し違えで謹慎処分が出たケースもある。私は木村庄之助と式守伊之助(木村庄之助と並ぶ立行司の名跡)を9場所ずつ務めましたが、その間に1回も行司黒星はなかった。それが私の誇りだね」(37代庄之助)横綱・白鵬に物言いをつけられた一番 そんな37代庄之助にも、物言いで勝敗判定が覆った経験がある。2014年5月場所12日目の豪栄道対鶴竜の一番で37代庄之助が豪栄道に軍配を上げたところ、土俵下で物言いの挙手をしたのは何と控えにいた横綱・白鵬だった(物言いをする権利は審判員のほかに控え力士にもある)。明らかに鶴竜の手が先についており勝敗は明白に見えたが、白鵬が指摘したのは「前のめりになった鶴竜の髷(まげ)を豪栄道が掴んでいた」というもの。ビデオ検証なども経た協議の末に、白鵬の物言い通りと認められ、豪栄道の「反則負け」となったのだ。ただし、反則負けは行司の「差し違え」とはならないのだという。「150キロを超える投球のストライク・ボールを判定しなきゃならない野球も大変でしょうが、行司はもっと大変だと思う。力士2人が土俵上で激しく動き回るだけでなく、それに合わせて行司も立ち位置が目まぐるしく変わるので、勝った力士が東方か西方かを取り違えないように把握しておく必要がある。土俵際では足元から目が離せず、見える位置に回り込まないといけないし、そのために力士の近くに寄らなければならないが、絶対に取り組みの邪魔になってはならない。同体に見えても必ずどちらかに軍配を上げないといけないというのもシビアですね」(37代庄之助) 判定の難しさに加えて、行司には身の危険も伴うという。「野球の球審はプロテクターを着けているけど、行司は装束だけで防具なんてないからね。あの狭い土俵で巨体の力士2人がぶつかり合っている間に小柄な行司は立たなきゃならない。突き飛ばされた力士をよけきれずに土俵下まで転がり落ちたこともあります。危険は取組中ばかりでない。土俵下に座って控えている時に体重150キロの力士が落ちて来たら逃げられない。はっきりいって命がけでしたよ」ビデオ判定導入の“大先輩”として思うこと 今やプロ野球では微妙な判定に対してビデオ判定を要求する「リクエスト制度」が定着しているが、日本のメジャースポーツで最初にビデオ判定が導入されたのは大相撲で、何と今から50年以上前の1969年のこと。同年3月場所の大鵬対戸田の一番で、当時の立行司・式守伊之助は大鵬に軍配を上げたものの、物言いがついて判定が覆り、大鵬の連勝記録(当時)が45でストップしてしまった。ところが、ニュース映像や写真を見ると明らかに戸田の足が先に出ていたため、相撲協会には抗議の電話が殺到する。それがきっかけとなって次の5月場所からビデオ判定が導入されたのだ。大一番での大誤審が、相撲の審判制度を変えるに至ったのだが、新弟子時代の37代庄之助(当時は木村三治郎を名乗っていた)はこの一番を土俵下で見ていたという。「それ以降、物言いの協議ではビデオの助けを借りるようになり、コマ送りでどちらの力士が先に早く土俵に落ちたかを判定できるから、取り直しは少なくなったと思います。ですが、相撲の勝敗には『死に体』や『かばい手』『かばい足』という難しい判断も絡む。必ずしも先に手をついたり、足が出たりした力士の負けとは限らない。中にはつり出しで相手を土俵外まで運んだ力士の足が先に出たら『勇み足』と判断されるケースもあったりする。ビデオ判定には利点も多いけれど、もっと人間の目を信じてもいいかもしれない」(37代庄之助) 審判としての権限もなく、軍配を差し違えれば“切腹”とはいかないまでも進退伺を提出しなければならない。あまり知られていないが、行司は土俵上の判定以外にも、土俵祭の祭主、場内放送、番付書き、取組編成会議での書記、巡業での会計などの役割がある。佐々木朗希のようなスター選手をにらみつけ、元名選手の監督にも毅然とした態度で退場処分を下せる野球の審判に比べると、割に合わない役割のようにも思えてしまうが、37代庄之助はこう語る。「相撲が好きだったからね。行司になってよかったと本当に思ってます。もっと行司に権限が欲しいかって? うーん、あまり権限が強くなると、差し違えた時に本当に切腹しないといけなくなってしまうからなぁ(苦笑)」 勝負を「裁く」立場は同じでも、競技によってそれぞれに悩みと喜びは違うようだ。
2022.05.16 17:45
逸ノ城(時事通信フォト)
五月場所幕内力士・巨漢&小兵ランキング 先場所優勝の若隆景は小兵4位
 5月8日から大相撲五月場所が両国国技館で始まった。体重による階級がない大相撲では、巨漢と小兵の対決に見ごたえがある。そこで今場所の幕内力士42名の体重を調べてみると……。 3月に行われた大阪場所は優勝決定戦で関脇の若隆景が高安に勝利し、優勝した。先場所は高安177kgに対して若隆景は130kg、50kh近くもの体格差があった。 日本相撲協会ホームページの力士データ(4月26日発表)によると、幕内力士の平均体重は157.3kg、平均身長は183.3cm。50年前の平均より30kgも増えており、大型化が進んでいる。相撲ライターの和田靜香さんは、次のように話す。「外国出身力士に巨漢が多いのは、生まれついての体格の差に加え、外国出身力士は部屋に1人しか所属できないため、実力&体格ともに優れた者のみが入門の枠を勝ち取った結果、そうなっていると考えられます」(和田さん・以下同)大相撲五月場所 幕内力士・巨漢ランキング【第1位】逸ノ城(湊部屋)211kg・192cm西前頭筆頭。モンゴル出身の29才。2021年9月に日本国籍を取得し、日本名は三浦駿(たかし)。【第2位】千代大龍(九重部屋)190kg・181cm東前頭13枚目。東京都荒川区出身の33才。都立高校出身で初めての関取で、本名は明月院 秀政。【第3位】高安(田子ノ浦部屋)184kg・187cm東前頭筆頭。茨城県土浦市出身の32才。大関まで上り詰めるが在位15場所で陥落。【第4位】碧山(春日野部屋)182kg・190cm東前頭11枚目。ブルガリア出身の35才。3月に日本国籍を取得し、日本名は古田亘右(こうすけ)。【第5位】照ノ富士(伊勢ヶ濱部屋)181kg・192cmけがや病気で大関から序二段まで陥落するも、2021年7月横綱に昇進。3月の春場所は途中休場。30才。 1位の逸ノ城は、200kg超えでダントツ。全部脂肪に見えても、その下にはしっかりと筋肉がついている。「体格を生かして圧倒的な強さを見せたかと思えば、あっけなく負けてしまうこともある。“スー女”の間では、実は着ぐるみで、『中の人』が2人いるといわれています(笑い)」 5位は休場明けの横綱照ノ富士。残り3人もひざなどに故障を抱えており、重さは有利である半面、けがのリスクも高くなってしまう。大相撲五月場所 幕内力士・小兵ランキング【第1位】照強(伊勢ヶ濱部屋)111kg・169cm西前頭8枚目。兵庫県南あわじ市出身の27才。阪神・淡路大震災の日に誕生。取組前に大量の塩をまく。【第2位】翠富士(伊勢ヶ濱部屋)112kg・171cm西前頭16枚目。静岡県焼津市出身の25才。近畿大学を2年で中退して角界入り。今場所より幕内復帰。【第3位】石浦(宮城野部屋)119kg・176cm東前頭16枚目。鳥取市出身の32才。一時は格闘家を目指すも、白鵬の内弟子として角界入りした。【第4位】若隆景(荒汐部屋)131kg・180cm先場所優勝し、今後は大関を狙う東関脇の27才。兄は若隆元と若元春で、大波3兄弟の三男。【第5位】琴恵光(佐渡ヶ嶽部屋)132kg・176cm西前頭7枚目。宮崎県延岡市出身の30才。祖父は元十両の松恵山。得意技は右四つ・寄り・押し。 一方の小兵力士は、スピーディーに技を繰り出し、「小よく大を制す!」で巨漢力士を転がすのは爽快だ。「小兵1位は豪快に塩をまく照強、2位は再入幕の翠富士。1、2位は伊勢ヶ濱部屋で、3位の石浦と炎鵬(十両・97kg)は宮城野部屋で、同じ一門。ともに横綱・白鵬(間垣親方)の土俵入りの太刀持ち・露払いを務め、“スー女”の人気が高い」 先場所優勝し、この五月場所が大関とりの足掛かりとなる若隆景も立派な小兵力士だ。「先場所の千秋楽で、解説の北の富士勝昭さんが『千代の富士が一気に強くなった頃を思い出す』と話していました。調べてみると、千代の富士は183cm、127kgで体格はほぼ一緒で、体つきもよく似ています。大関、横綱と昇進したら、令和の千代の富士といわれるかも」 五月場所はまだ始まったばかりだが、巨漢VS小兵の取組に注目してみよう。※女性セブン2022年5月26日号
2022.05.07 22:58
「横綱 北の富士カレー」と「銀座・鵬 まかないカレー」
大相撲春場所 売店の“白鵬カレー”に「白鵬」と書いていないワケ
 大相撲の春場所がエディオンアリーナ大阪で3月13日から開催されている。2020年は新型コロナ禍で異例の無観客での場所開催、2021年は東京・両国国技館での開催となったため、大阪の本場所で観客を入れるのは3年ぶりとなる。そうしたなかで、会場でのグッズ販売に、異変が見て取れた━━。 春場所の入場者の上限は定員の75%にあたる5600人に設定され、初日には5000人のファンが声援を送った。春場所を観戦に来た浪速っ子の間で話題になっている相撲土産がある。元横綱の北の富士が作った特製カレーを再現した「横綱北の富士カレー」と白鵬の土俵入りのイラストが入った「銀座・鵬 まかないカレー」である。話題になっているのは、その中身の味よりも、相撲協会の商品への扱いである。 相撲協会では2020年から「相撲公式グッズ」として親方衆がプロデュースしたり、企業とコラボしたりした商品を本場所の会場で販売している。相撲担当記者が言う。「コロナ禍で売上が落ち込んだ相撲協会では、対策のひとつとして人気力士のオリジナルグッズの製造販売を始めた。人件費を抑えるために元力士の若手親方や世話人に店頭で直接販売させているが、予想外の効果があった。元豊ノ島の井筒親方など、まだ髷がついた人気力士から手渡しされるため、常に行列ができている」 相撲協会の公式キャラクターの「ひよの山」の関連グッズはじめ、人気力士がパッケージになったキットカット、タオル、応援うちわ、クリアファイルなどがある。中でも国技館の地下食堂の人気メニューの味を再現した「国技館カレー」と「国技館ハヤシ」が人気商品となっているが、「国技館カレー」の発売1周年を記念して作られた「横綱北の富士カレー」は解説と同じく辛口だという触れ込みで常に人気ランキングのトップ3に入っているという。 春場所の会場でも1階の正面ピロティとチケットが不要な入口手前のエントランスの2か所には公式グッズ売店があり、ともに人だかりができている。ただ、訪れるファンからは首を傾げる声が聞こえてきた。「初日に来た知人が“白鵬のカレー”を買ったというので、公式グッズ売店で探したが見当たらないんです。売り場に立っていた若手親方に聞いても“わからない”という。結局、相撲関連グッズを扱っている館内の売店にひっそりと置いてあるのを見つけました」(4日目に観戦に来た男性)「横綱」と書いても、「白鵬」とは書けない 館内ではマスク着用が義務付けられ、飲食は禁止されている。そのため大阪の業者が運営する館内の売店では応援タオルなどの相撲グッズが中心に並べられている。新型コロナウイルスが感染拡大する前は、2階と3階の階段横、支度部屋前の6か所に売店があり、中入りや打ち出し後に相撲関連グッズを求めて人だかりができていたが、3年ぶりに有観客で開催された春場所では公式グッズ売店ができたことで人の流れが大きく変わっていた。「支度部屋前の売店は閉鎖されているが、あとの4か所の売店も以前と比べて商品も少なく閑散としている。置いてある商品は相撲饅頭や相撲せんべいといったラインナップだが、力士の肖像権を持つ相撲協会の公式グッズとは勝負にならない」(製造業者関係者) 公式グッズ売店に置かれている「横綱北の富士カレー」はパッケージに北の富士の土俵入りのカラー写真が使われ、エプロンを着けた近影も使われている。販売者は公益財団法人日本相撲協会となっている。 一方、件の“白鵬のカレー”は公式グッズ売店ではない売り場に置かれている商品のひとつだった。箱には白鵬とわかる力士の土俵入りのイラストが印刷されているが、商品名は「銀座・鵬 まかないカレー」とあり、どこにも白鵬の四股名が書かれていない。 パッケージ裏の商品説明でも〈横綱の強さの源となった「ちゃんこ鍋」の生みの親でもある【元力士】の店主が銀座に店を構えました。相撲部屋の本物の味と出会える店、「鵬」。そんな「鵬」の店主自ら徹底的に監修、再現したのは横綱の隠れたパワーの源、相撲部屋の本物の【まかないカレー】です〉となっており、〈横綱〉や〈相撲部屋〉と書かれているが、白鵬、宮城野部屋とは書かれていないし、白鵬の写真も使われていない。肖像権が相撲協会にあるなど複雑なルールのため、このようなパッケージや商品名が限界ということなのだろうか。 歴代1位の優勝回数45回を誇り、引退後も人気がある元横綱・白鵬の間垣親方だが、相撲協会も特別扱いはしないようだ。
2022.03.19 21:08

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