そしてPFASを避けるために何より大事なのは、そもそも花粉症の予防と治療をすることだ。
その有効な手段として、環境省の「花粉症環境保健マニュアル2022」のなかでは、「帰宅時に花粉を払うなどして家の中に持ち込まないようにすること」や「睡眠をよく取って、正常な免疫機能を保つこと」を挙げている。また近年では、花粉症治療の選択肢も増えてきている。許氏が語る。
「最近では、アレルゲンを含む治療薬を少しずつ舌下に繰り返し投与することで、症状の改善や根本的な体質改善を図る『舌下免疫療法』が広く行なわれるようになりました。長期にわたって行なうと、患者の8割がアレルギー症状を改善できるとされている。ただし、現在日本でこの治療法が使用できるのは、スギ花粉とダニに対してのみです。様々な種類の花粉症に有効となる治療薬の開発が望まれます」
快適な春においしい食材を楽しむためには、予防と治療が肝要だ。
※週刊ポスト2023年3月3日号