公判では、転職後の状況について「ライバル社から来た人間で、強い反発がありました」と述懐。「外からカッパに入社して、経営改革の中で従来の社員の皆さんになめられてはいけないという気持ちだった」「こいつ、わかっていないと思われるのが怖くて、バカにされないように」という焦りがあったと明かした。
さらには、「すごいと思わせたいとマウントをとる意味合いで(はま寿司のデータを)送りました。他社からの情報を示すことで、優位性を示したかった」とまで語った。田邊被告の赤裸々な告白に、法廷は震撼したという。
カッパ社とゼンショーに田邊被告の発言について見解を聞いたところ、カッパ社は「いずれも田邊氏本人の主観に基づく発言であること、また、公判係属中の事件であることからコメントを差し控えさせていただきます」、ゼンショーは「田邊被告個人に対して多額の請求をする云々と会議等で明言した事実はありません。また、田邊被告が公判で述べたような発言の意図は確認されていません」と回答した。
現在、かっぱ寿司は、業界4位で、3位のはま寿司の年間売上高とは2倍の差がついており、いわば“ひとり負け”の状態だという。
「経営の迷走を示すかのように、2016年からわずか5年で3人も社長が交代しており、田邊被告は4人目の社長でした。従来の社員の反発があるなかで、短期間で結果を出すプレッシャーにさらされていたことは想像に難くありません」(前出・全国紙経済部記者)
田邊被告が起訴内容を認める一方で、同じく不正競争防止法違反罪で起訴されたカッパ社側は、無罪を主張した。
前代未聞の回転寿司バトルの第2ラウンド。その行方やいかに。
※女性セブン2023年3月16日号