スポーツ

34年ぶりセンバツ出場の北陸 「阪急ブレーブスそっくりユニフォーム」の理由を監督明かす

同じ福井の敦賀気比のコーチを経て、北陸の指揮官に転じた林監督(筆者撮影、以下同)

同じ福井の敦賀気比のコーチを経て、北陸の指揮官に転じた林監督(筆者撮影、以下同)

 いよいよ95回目の記念大会となるセンバツが開幕する。初日に登場する6校の中で、異色のユニフォームを身に纏って試合に臨むのが福井の北陸高校だ。

 一強時代を築く大阪桐蔭や伝統校にして人気校の慶應義塾のように、高校野球ファンが校名を聞いてすぐに浮かぶほど慣れ親しんだデザインのユニフォームがある一方で、34年ぶり2度目の出場となる北陸高校のデザインは、オリックスの前身で、1988年に消滅した阪急ブレーブスと瓜ふたつ。アイボリーの下地に、赤を基調とした斬新な色使いで、胸には筆記体で「Hokuriku」。アンダーシャツとストッキングも赤で、袖元とズボンのサイドには赤白黒の三本線が施してある。

 140年以上の歴史がある北陸高校は北陸三県で生徒数が一番多く、1学年18クラス、総勢2800人もの生徒が学んでいる。県内の人気私立にあって、全国大会での実績があるハンドボール部やバスケットボール部の影に隠れていた硬式野球部も、同じように強化したいと考えた学校に指名されたのが林孝臣監督だった。2019年に就任した監督がまず行ったのが、ユニフォームの刷新だったというわけだ。

「ある時、オリックスが復刻版として阪急時代のユニフォームを着て戦っていた試合を見て、この古くさい感じがいいな、と(笑)。僕自身は、阪急ファンでもなんでもないですから、少しデザインを真似たとしてもそれに気付く人はいないだろうと思っていたんですが……反響に驚いています」

 林監督はかつて鯖江ボーイズでコーチを務めており、その時代の教え子が侍ジャパンで大活躍中の吉田正尚(レッドソックス)だ。吉田の卒団のタイミングで、吉田と共に母校でもある敦賀気比に籍を移してコーチとなり、師弟関係は続いた。そして、2019年に県内のライバル私立監督に就任するという“禁断の移籍”を果たす。こうした私立高校間の異動は、全国的にもなかなかない事例だ。いわば大阪桐蔭のOBが母校のコーチを経て履正社の指導者になったり、神奈川・横浜高校のOBが東海大相模を指揮するようなもの。ただ、林監督はすっきりとした表情だ。

「いやいや、敦賀気比の東(哲平)監督も一時期、ここ(北陸)を率いたことがありますし、そんな禁断の移籍なんてことはありません。ただ、新しいユニフォームのデザインについて、当時の選手に相談した時、『縦縞で、胸の文字は漢字がいいです』と言われたんです。それじゃあ、敦賀気比そのままなので、『それだけはあかん』と(笑)」

関連キーワード

関連記事

トピックス

解散を発表したTOKIO(HPより)
《TOKIO解散には迷いなし?》松岡昌宏、「男気会見」で隠せなかった本音 唯一違った“足の動き”を見せた質問とは?
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
ディップがプロバスケットボールチーム・さいたまブロンコスのオーナーに就任
気鋭の企業がプロスポーツ「下部」リーグに続々参入のワケ ディップがB3さいたまブロンコスの新オーナーなった理由を冨田英揮社長は「このチームを育てていきたい」と語る
NEWSポストセブン
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《渡部建の多目的トイレ不倫から5年》佐々木希が乗り越えた“サレ妻と不倫夫の夫婦ゲンカ”、第2子出産を迎えた「妻としての覚悟」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン
都内の日本料理店から出てきた2人
《交際6年で初2ショット》サッカー日本代表・南野拓実、柳ゆり菜と“もはや夫婦”なカップルコーデ「結婚ブーム」で機運高まる
NEWSポストセブン