あと何回、恋ができるか
ここ10年ほどは、ミュージシャンとしてだけでなく、社会活動にも熱心だった坂本さん。2011年の東日本大震災の翌年には、脱原発の集会に出席し、「たかが電気のためになぜ命を危険に晒されなければいけないのでしょうか?」と発言。以降、脱原発を推進する著名人の代表格として、活動の旗振り役を担うようになる。
今年に入ってからも社会活動への熱意は衰えることなく、東京・神宮外苑の再開発に反対を表明し、小池百合子都知事に書簡を送ったことが注目された。前述の共同通信の取材の中で坂本さんはこう語っている。
《現存する貴重な樹木を伐採することなく開発する方策を検討していただきたい。現在の計画を中断し、再開発計画全体を持続可能で、地域で育まれた生物多様性を生かすよう見直してほしい。古いものを壊すのでなく、生かす開発が必要とされているのではないか》
音楽活動や社会活動を通じて世界中の人から支持された坂本さんだが、私生活でも多くの女性から愛された。
坂本さんは、生涯で2度結婚し、3人の女性との間に子供をもうけている。1度目の結婚は学生時代、長女を授かるが後に離婚。2回目の結婚は1982年、相手は歌手の矢野顕子(68才)だった。双方再婚同士だった矢野との間には、彼女の連れ子のほかにミュージシャンの娘・坂本美雨(42才)がいる。しかし、矢野との結婚から程なくして、坂本さんはある女性と出会う。
「最後のパートナーとなったA子さんです。彼女は日本の美大を卒業した後、舞台美術の専門家として活動していました。小柄ながら、長い髪にキリッとした目元が印象的な美人で英語も堪能と評判でした。彼女が坂本さんのコンサートツアーを担当したことからふたりの関係が深まり、坂本さんのマネジャーを務めるようになりました。1991年にはA子さんとの間に子供が生まれますが、妻の矢野さんはふたりの交際を認めたものの離婚はしませんでした。
坂本さんと矢野さんは1992年から別居。その後、14年間の別居生活を経て、2006年に離婚が成立しています。その間、A子さんは、ずっと坂本さんのそばに居続けました」(前出・音楽関係者)
以降、坂本さんとA子さんは事実婚の関係に。坂本さんもパートナーとしてのA子さんの存在を隠そうとはしなかった。しかし、坂本さんはその後も、女優の鶴田真由や中谷美紀との交際が取り沙汰される恋多き男だった。そんな彼もがんを患ってからは考えが大きく変化する。
「以前は、多くの女性と交際することをなんとも思わないような側面がありました。けれど、最近は、残された人生であと何回恋ができるかと考えることもあったようで、だとすると、無駄な恋愛はしない、本当に大切な人とだけ一緒に過ごしたいと考えるようになったそうです」(前出・芸能関係者)