腸腰筋群を鍛えられる「パタパタ体操」
就寝時は「横向き」に
続けて西良医師が勧めるのが「パタパタ体操」だ。このエクササイズは、背骨と足を直接つなげる唯一の筋肉である「腸腰筋群」を鍛える運動だ。
「腸腰筋群は背骨を安定させて股関節を動かす役割があり、その動きが悪いと、背骨の神経が圧迫されて足腰の血流障害が起きます。すると歩行時にふらついたり、痛みや痺れで歩幅が狭くなったりする『間欠性跛行』と呼ばれる脊柱管狭窄症の特徴的な症状が現われるので、継続的に鍛えることが重要です。
このエクササイズに取り組む際は、両足が外側に開かないように注意しましょう。慣れないうちは、両すねの間にテニスボールなどを置いた状態でやると、感覚がつかみやすいと思います。足が開きすぎたり、ひざが下に曲がっていたりするとボールが落ちるので、正しい姿勢を保つ指標になります」(西良医師)
このエクササイズは、パタパタ10回を1セットとして、1日3セット行なう。1日のなかで起床後や就寝前など好きな時間で構わない。決してツラい運動ではないので、毎日の習慣にしたい。
ほかに、股関節の柔軟性を取り戻すためには、太股の裏側の筋肉「ハムストリングス」を鍛えるのが重要であることも知っておくとよい。
「このハムストリングスが硬くなると、足を後ろに蹴り出す力が低下し、歩幅が狭くなったり、股関節の動きが悪くなったりするため、腰の酷使につながります。ややハードな動きとなりますが、仰向けの状態で両ひざを立て、お尻を上げ下げする『お尻上げ体操』も脊柱管狭窄症に効果的なエクササイズです。
まずは楽チンな『スフィンクスのポーズ』と『パタパタ体操』に取り組み、余裕が出てきたら『お尻上げ体操』も行なうようにしましょう。より大きな改善効果が期待できます」(同前)