文田の涙は、THE SECONDがこれから紡いでいくことになるだろうドラマの序章となった。それと同時に、この大会の過酷さも物語っていた。
根建は、THE SECONDの緊張感をこう表現した。
「エチケット袋とか持って行きたいぐらい」
だが、吐き気を催すような体験をしなければ、手に入らないものがある。
芸人人生のターニングポイントを問うと、根建は言った。
「今、もしかしたら、来たっぽいですね」
【プロフィール】
中村計(なかむら・けい)/1973年、千葉県生まれ。ノンフィクションライター。著書に『甲子園が割れた日』『勝ち過ぎた監督』など。近年はお笑い関連の取材・執筆を多く手がける。近著に『笑い神 M-1、その純情と狂気』。
撮影/山口京和
※週刊ポスト2023年6月2日号