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放置するとうつ病やパニック障害に進行することもある「閉所恐怖症」 医療現場で行われている対処の心得

飛行機恐怖症(写真/アフロ)

「閉所恐怖症」はどのように克服する?(写真/アフロ)

 様々な状況や物事に不安や恐怖を感じる「○○恐怖症」。例えば「閉所恐怖症」もその一つだ。それはどのようなものなのだろうか。

 美容医療に加え、日本旅行医学会認定医という旅行医学の専門家としての顔も持つ『池袋さくらクリニック』院長の倉田大輔さんのリゾート・トラベル外来に、ある患者から「閉所恐怖症で飛行機に乗れない。各駅停車の電車で行ける範囲でしか旅行できないのがツライ」という声が寄せられた。倉田さんは言う。

「飛行機に恐怖を感じる理由として—重量物が空を飛ぶことへの違和感や不安感、高度約1万mという人間が生活できない空間を飛んでいること、離発着時などに着席を強いられること、飛行中に自由に降りられないこと—これらがストレスになっていると考えられます。

 加えて、空港での慣れない手続きは緊張や不安を伴うことが多く、そうしたマイナスの感情が閉所恐怖症と結びついてしまう人が多いように感じます」

 だからといって、飛行機に乗らなければいい、というものでもないという。それは、外に出かけず家にこもり、「自分は根性がない」と自身を責めてしまうことで、うつ病やパニック障害などに進行する可能性もあるからだ。

「特にいまはコロナ禍によって社会全体に『不安感』というベースが出来上がった状態です。ウイルスに感染することへの恐怖はもちろん、景気悪化や雇用の不安、それに伴う家族の問題などが複合的に絡まり、小さな出来事にも過剰な不安を抱きやすい。さらに女性は、月経や更年期などホルモンバランスの変化からも影響を受けやすくなります。

 恐怖症は不安症のひとつなので、そうした不安の芽はなるべく小さいうちに摘むことが肝心です」(倉田さん・以下同)

 慣れない場所での体調不良がトラウマとなることもあるため、外来では風邪薬や解熱剤などの予防薬を処方したり、予防接種を実施。事前不安を取り除くサポートをしているという。

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