私の痛みは取れないのでしょうか?
【質問】帯状疱疹の後遺症の激痛で「楽になる方法は?」と関係の書籍を数十冊読みましたが、この本がいちばん参考になりました。後遺症による私のつらい3年間は一日も休みのない痛みとの闘い。「リリカ、トラマール服用」でも「神経ブロック」でも効果なく。モルヒネはがんの人のみ? 発病して3年、要介護2です。ひとり暮らしで、子供は遠方に3人あり。先生助けてください。(80代・女性)
【小笠原先生の回答】
痛みが取れないのは本当につらいですね。質問に書いてこられた薬も神経ブロックも、効かない人にはまったく効かないんです。最終的にはモルヒネになりますが、モルヒネという商品の薬はがん以外の人にも使えますが、4時間しか効かない。12時間とか24時間効く別の名前のモルヒネはがん以外の人には使えないといった制約があります。ただし、私を含め、ある試験を合格した医師だけが使える薬もあって、そうした痛みのプロに相談すれば、どんな痛みも必ず取れるか、軽減します。ですから、諦めないで痛みのプロに相談してもらいたいと思います。
夫が家で最期まで暮らすために準備すべきことは?
【質問】いまは元気な夫がこの本を読んで、病気になったら家にいてもいいかなと言うようになりました。何か準備しておいた方がいいことはありますか?(70代・女性)
【小笠原先生の回答】
旦那さんはきっとこの本を読んで、命の長さだけではなく、笑って暮らす、笑って生きる、そういう命の質を最期まで大切にしたいと思われたのではないでしょうか。
奥様が旦那さんの気持ちに添いたいと思われるそのお気持ちがとても大事だと思います。ただし、家にいたら早く死ぬということがわかっている病気だったら、入院してきちんと治療をしてもらいたいので、病院の医師やかかりつけ医に、その病気が入院して治る病気なのか治らない病気なのか、きちんと聞いてください。治らない病気を治そうと思って入院するほど不幸なことはありませんから。
いまできる準備は、旦那さんの思いはどういうものか、延命治療の有無なども含め、きちんと聞き取っておくこと、実際に病気になったときに相談できる人を作っておくことが大事かなと思います。
老老介護で介護力がないから、と最期まで家で笑って生きることを諦める必要はありません。大切なことは、ひとり暮らしでもきちんと最期まで支えてくれるチームとの出会いです。周りに、家で看取りをしたというお友達がいれば聞いてみるといったことから始めてみればいいと思います。
※女性セブン2023年6月8日号