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田尾安志氏が振り返る難病「心アミロイドーシス」の闘病 「私を熟知してくれる医師に安心感を覚えた」

定期的に行なっていた血液検査から「心アミロイドーシス」がわかったという(写真/共同通信社)

定期的に行なっていた血液検査から「心アミロイドーシス」がわかったという(写真/共同通信社)

 人生を変えるほどの病魔から救ってくれた名医との出会いと闘病生活について、各界の著名人に披露してもらった。野球評論家の田尾安志氏(69)が心アミロイドーシスと戦った体験談を語る。

 * * *
 私が患っている心アミロイドーシスは知名度こそ低いものの、国が指定する難病です。心臓の筋肉の周りにアミロイドというたんぱく質が沈着して障害を起こし、心臓の動きが弱まる病気らしく、進行すると最悪の場合、心不全になって命を落とすことがあるそうです。

 昨年の初め頃、定期的に行なっている血液検査で、先生から「心臓で異常な数値が出ています。今すぐ車いすになってもおかしくない」と告げられ、その後、兵庫医科大学の精密検査で心アミロイドーシスと診断されました。階段を上る時に息切れするといった症状があったものの、突然の告知に驚きました。

 当初は1~2か月の検査入院が必要と言われましたが、すでにプロ野球がシーズンインしていたので3日で退院し、翌日は解説の仕事をしました。

 かつて心アミロイドーシスは根本治療が難しく、5年生存率は約30%の怖い病気だったそうです。しかし、数年前に良薬が開発され、現在は服薬と定期検査をすれば、これ以上悪化しないらしく、私も日常生活にまったく支障はありません。

 とはいえ長い付き合いになる病気なので、自宅に近い西宮渡辺心臓脳・血管センター副院長兼内科診療部長の合田亜希子医師に定期的に診てもらっています。

 現在行なっているのは服薬と月1回の検尿、血液検査、数か月に1回の心電図とエコーです。以前は兵庫医科大学に在籍されていた合田先生は初期から私を診てくれているので、病状も熟知していて安心感があります。

 合田先生には、病気の啓蒙活動でも背中を押されました。心アミロイドーシスはまだ十分に周知されておらず、実際に患った患者が病気を伝えることが啓発や予防につながると勧められ、昨年6月にYouTubeの「TAO CHANNEL」で病気を公開しました。

 合田先生の話では、この病気を治療するポイントは早期発見らしいです。私自身も治療を続けるとともに、今後も健康状態を発信していきます。

※週刊ポスト2023年6月9・16日号

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