芸能

イッセー尾形、小日向文世、大泉洋の3人芝居から高田文夫氏が考える「なにかと難しい男同士の関係」

イッセー尾形、小日向文世、大泉洋による舞台『ART』(イラスト/佐野文二郎)

小日向文世、大泉洋、イッセー尾形による舞台『ART』(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、何かと難しい男同士の関係について綴る。

 * * *
 このコラムの先週号のイラスト、いやあ衝撃的だったネ。ドラマ『波よ聞いてくれ』の格好いい小芝風花。あの絵でいっぺんに好きになった男連中も多し。こういうおっさん雑誌(失礼。ポストです)に若い娘がポーンと出てくるのもいいものだ。日頃はこういう時代なのにほとんど男社会、男だらけの世界(逆宝塚的な)で生きてるもので。

 そんな折イッセー尾形から「こんなこともやってます」と案内が届き世田谷パブリックシアターへ。3年前、コロナで突然公演中止となった芝居『ART』。ここも男3人だけの舞台。

 イッセー尾形、小日向文世、大泉洋というぜいたくな組み合わせ。セルジュなんて人が出てくる翻訳もの(少し苦手)。一枚の高価な絵を購入したことから男同士の友情にヒビが入るお話。達者な3人を見るなら東京のあと大阪、福岡ほか行きますので機会を作って見て下さい。

 私の知る限りレツゴー三匹、てんぷくトリオ、今ならジャングルポケットと、男3人はなにかと難しかった。

 家庭に帰っても男同士はなにかと難しい。それが婿と義理の父という微妙な男世界となると。奇行をくり返す変人、怪人の義父夫婦と二世帯暮しをするナイツの塙。義父の不可解な日常をみつめる塙の視線が妙に面白い。一冊の本にまとめて『静夫さんと僕』塙宣之(徳間書店)。この奇妙なバランスは「ヤホー」で調べても分からない。

 多才な塙家、よく考えてみたら兄貴のはなわ(『佐賀県』で大ヒットを飛ばしたり息子達の格闘家ぶりが話題になったり)も数年前『お義父さん』という人情噺チックなお涙もので小ヒットを飛ばした。胸にジーンとくるドキュメントタッチの名曲だったと記憶する(ほとんど忘れたが)。この家は義理の父でどうやら兄弟そろって小銭を稼いでいるらしい。次は義母シリーズでも手掛けるのか。

 そんな中、男世界といえば『サンクチュアリ』のすもう界かチャンバラ大好き時代劇。私の後輩にあたる日芸の放送学科なのに時代劇研究家を名乗る春日太一。私のラジオのゲストに来てもらって「なんで放送学科なのにチャンバラ?」「何言ってんですか。私はテレビ時代劇の研究から入ったんですよ」だと。

「週刊朝日も101年で幕を閉じちゃったし活字界も大変だな」「本当ですよ。お互いに連載やってる“ポスト”だけには踏んばってもらわなくちゃ」だと。その前にお前が踏ん張れ! 逆手斬りだ。

※週刊ポスト2023年6月23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン