嫌なことがあっても…(イラスト/しまだなな)
「夜は際限なくクヨクヨしてしまいますが、清々しい朝は、クヨクヨしたくてもできなくないですか?
朝、目の網膜に光を当てると精神が安定し、達成感や喜びを感じるセロトニンという神経伝達物質が分泌されるそうですから、科学的にも理にかなっていますよね。
それに、朝ゆとりを持って行動できると、『早くしなさい!』と子供を急かしたり、イライラしたりすることもない。周りにもいい影響を与えているんじゃないでしょうか。
また、季節の移ろいに目を向ける心の余裕も生まれます」
池田さんは、いまでは企業への指導に加え、個人向けのオンラインサロン「朝キャリ」を立ち上げ、朝活によって自分の強みを磨く方法や、副収入を得るためのノウハウを伝えている。
「30〜60代まで、約150人のメンバーがいます。週3〜5回、約40分間、オンラインで朝活状況を報告し合ったり、つながったまま会話をせずに黙々とブログを綴る“自習タイム”を設けたりして、モチベーションを高め合っています。
参加メンバーの中には、女手ひとつで3人の子供と向き合う時間を確保しながら、行政書士、2級FP技能士、社会保険労務士資格を取得した40代のかたもいます。
仕事面だけではありません。たとえば、シェイプアップ目的で始めた週末の朝ランが高じ、目標タイムより1時間も早くフルマラソンのレースで完走した女性や、家事に追われていた朝時間を工夫して、好きなドラマや読書など趣味優先の時間に変えた女性も。
定年後に日本語教師養成学校の学生となり、カンボジアへインターンに行くことになった60代の男性もいます。彼の夢は、トンガ王国に住んでラグビー日本代表を目指す子供たちのサポートをすること。朝活の目的は、本当に人それぞれなんです」
【プロフィール】
早起きトレーナー 池田千恵さん/『朝6時』代表。企業・自治体の仕事改善指導や朝活手帳のプロデュース、朝活コミュニティー『朝キャリ』主宰など幅広く活躍中。近著に『週末朝活 超リフレッシュ&充実の自分づくり』(三笠書房 王様文庫)ほか。Twitter、Instagramは@ikedachie
取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2023年6月29日号