母親は近隣住民との交流はなく、また授業参観などの行事に顔を出したこともなかったという。そのため、近所で穂坂一家の噂は広まり、同級生の間では知らない人はいないといわれるほどまでの一家となった。
「4人とも特別学級にいたこともあって、この辺りの子供たちは親から“穂坂家に近寄るな”と言われていたから、沙喜らはいつも4人だけで遊んでいた。学校も家庭環境を問題視していて、沙喜たちの体にあざが見つかったということで、担任らが何度も家に来ていたけど母親と会えずに帰っていった。その後、学校内でトラブルが起きたとかで、一家で引っ越しちゃって、同級生たちも大人になったから話題になることもなかったけど、どうしているんだろうかと心配はしていた」
子供への虐待は、親子間で連鎖すると言われる。実際、世界で子供の支援活動に取り組んでいる団体「セーブ・ザ・チルドレン」は、“虐待の連鎖”の現実を描いた啓発広告を作っているほどだ。今回も、そのような事件だったのか。穂坂家の異様さに気づいていた人も多かっただけに、社会として修ちゃんの命が救えなかったことが悔やまれる。