早稲田大学に留学した時のマライさん
初めてできた日本人の友達は、マライさんにあるものをくれたという。
「ひらがなの一覧です。ちょっと丸っこい、丸みを帯びた文字なんだなと感じました。その後、親とヨーロッパのいろんな国へ旅するんですけど、各国のガイドブックコーナーに寄ると、絶対日本語の本は分かるんですよ。文章の中に必ず『の』が入ってるから。あ、これ日本の本だよって、ちょっと得意げに言ったりしてました(笑)。
『アルファベットじゃない文字』に惹かれてたっていうのはあるんですよね。ヨーロッパの文字はなんか読めちゃうけど、日本語はミステリアスで、これ読めたらカッコいいだろうなと思ってました。それで13歳の時、市民講座の日本語教室に入ったんですが……」
(第2回に続く)
【プロフィール】
マライ・メントライン/1983年生まれ、ドイツ北部のキール市出身。姫路飾西高校、早稲田大学に留学。ボン大学卒業後の2008年から日本在住。NHKドイツ語講座などに出演。2015年末から独テレビ東京支局プロデューサー。翻訳、通訳、著述、番組制作と幅広く活躍中の「職業=ドイツ人」。
◆取材・文 北村浩子(きたむら・ひろこ)/日本語教師、ライター。FMヨコハマにて20年以上ニュースを担当し、本紹介番組「books A to Z」では2千冊近くの作品を取り上げた。雑誌に書評や著者インタビューを多数寄稿。