パブピアでの指摘。BとCは別の実験画像とされていたが、「AI」が枠で囲んだ部分を「同一」と判定。同じ画像の位置をズラして、使用した疑いがある。Cytokine mRNA Degradation in Cardiomyocytes Restrains Sterile Inflammation in Pressure-Overloaded Hearts(Circulation, 2020)
「誰でも書ける匿名のサイト」なのか?
一連の指摘について、どのように受け止めているのか、尋ねると──。
大津氏「いやいや、あれはパブピアですから。誰でも書ける匿名のサイトですので」
──20年前から画像をいじっていた?
大津氏「とんでもないです。僕は自分で言うのは何ですけど、そういうのに関しては最も厳しいグループに属しています」
──(実験の実務を担当する)筆頭著者がやってしまった?
大津氏「内容についてはまだ審査中ですから。僕が何か言うと、予見になると困りますので。今言うと、審査結果に影響を与えたらあかんじゃないですか」
「パブピア」は誰でも自由に投稿できると大津氏は述べたが、実際は異なっている。匿名ではあるが、論文執筆経験者など、事前に審査を受けた研究者に投稿資格が与えられるシステムになっており、STAP細胞事件の論文捏造が発覚する契機にもなった。
国循の広報によると、大津理事長は「パブピア」の指摘について6月中に把握して、所管の厚生労働省にも報告済みだった。第三者委員会を設置して、調査することを決めたという国循の対応こそ、「パブピア」による指摘が単なる匿名の書き込みとして処理できるものではないことを示しているのではないか。