現在は港区議として活動する斎木氏

現在は港区議として活動する斎木氏

 

「できない理由を考えるのではなく」 

 あれから1年。斎木さんは参院選では落選したが5万票を獲得。今年4月、自宅のある東京・港区で区議会議員選挙に初挑戦し、4位で初当選した。念願の政治家としてスタートを切った斎木さんは、今も安倍氏が最期に遺した「できない理由を考えるのではなく」という言葉を、動画で繰り返し再生して見ているという。 

「この言葉の続きに何を言うつもりだったかわかりませんけど、きっと『できる理由を考える』という意味のことですよね」 

 そして安倍氏への思いを語った。 

「安倍さんは政治家を志すきっかけをくれた人ではありましたけど、業績についての評価は賛否いろいろあると感じています。僕自身、政策的に安倍さんとまったく同じところをめざすということはありえません。でも『できない理由を考えるのではなく』というのはその通りで、政治は実行力が大切ですよね。僕は政治家として、子育てを支え、差別のない世の中を実現する方法を考えていきます」 

 安倍氏の一周忌を迎えた78日、東京・芝の増上寺で法要が営まれた。斎木さんは同じ日の夕方、法要が終わってひっそり静まった時間に増上寺を訪れた。地下鉄の駅から向かう途中の道沿いに、子どもの描いた絵が掲げられている。そこにこういう言葉がある。 

「みんなちがってみんないい」 

「この言葉がすべてですよね。僕は政治家としてこういう世の中を目指したい。そのために必要なことは、安倍さんが語ったように『できない理由を考えるのではなく』、できるようにするための方法を考えることだと思います」 

 増上寺で手を合わせた斎木さんの胸に去来したのは、安倍氏の遺した“最期の言葉”を受け継ぎ、安倍氏とは別の形で理想の世の中を目指すという決意だった。 

  相澤冬樹(ジャーナリスト)

関連記事

トピックス

遺体には電気ショックによる骨折、擦り傷などもみられた(Instagramより現在は削除済み)
《ロシア勾留中に死亡》「脳や眼球が摘出されていた」「電気ショックの火傷も…」行方不明のウクライナ女性記者(27)、返還された遺体に“激しい拷問の痕”
NEWSポストセブン
当時のスイカ頭とテンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《“テンテン”のイメージが強すぎて…》キョンシー映画『幽幻道士』で一世風靡した天才子役の苦悩、女優復帰に立ちはだかった“かつての自分”と決別した理由「テンテン改名に未練はありません」
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《ヤクザの“ドン”の葬儀》六代目山口組・司忍組長や「分裂抗争キーマン」ら大物ヤクザが稲川会・清田総裁の弔問に…「暴対法下の組葬のリアル」
NEWSポストセブン
1970~1990年代にかけてワイドショーで活躍した東海林さんは、御年90歳
《主人じゃなかったら“リポーターの東海林のり子”はいなかった》7年前に看取った夫「定年後に患ったアルコール依存症の闘病生活」子どものお弁当作りや家事を支えてくれて
NEWSポストセブン
テンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《キョンシーブーム『幽幻道士』美少女子役テンテンの現在》7歳で挑んだ「チビクロとのキスシーン」の本音、キョンシーの“棺”が寝床だった過酷撮影
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
女優・趣里の結婚相手は“結婚詐欺疑惑”BE:FIRST三山凌輝、父の水谷豊が娘に求める「恋愛のかたち」
NEWSポストセブン
タレントで医師の西川史子。SNSは1年3ヶ月間更新されていない(写真は2009年)
《脳出血で活動休止中・西川史子の現在》昨年末に「1億円マンション売却」、勤務先クリニックは休職、SNS投稿はストップ…復帰を目指して万全の体制でリハビリ
NEWSポストセブン
中川翔子インスタグラム@shoko55mmtsより。4月に行われた「フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート2025」には10周年を皆勤賞で参加し、ラプンツェルの『自由への扉』など歌った。
【速報・中川翔子が独立&妊娠発表】 “レベル40”のバースデーライブ直前で発表となった理由
NEWSポストセブン
奈良公園で盗撮したのではないかと問題視されている写真(左)と、盗撮トラブルで“写真撮影禁止”を決断したある有名神社(左・SNSより、右・公式SNSより)
《観光地で相次ぐ“盗撮”問題》奈良・シカの次は大阪・今宮戎神社 “福娘盗撮トラブル”に苦渋の「敷地内で人物の撮影一切禁止」を決断 神社側は「ご奉仕行為の妨げとなる」
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
「仕事から帰ると家が空っぽに…」大木凡人さんが明かした13歳年下妻との“熟年離婚、部屋に残されていた1通の“手紙”
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
《“美女すぎる”でバズった下北沢の女子大生社長(20)》「お金、好きです」上京1年目で両親から借金して起業『ザ・ノンフィクション』に出演して「印象悪いよ」と言われたワケ
NEWSポストセブン