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ボクシング・井上尚弥、前人未踏の6階級制覇の敵は“イチャモン攻撃” 対戦相手から度重なる不条理な因縁

井上尚弥の懸念材料は対戦相手からの“イチャモン”(写真/AFP=時事)

井上尚弥の懸念材料は対戦相手からの“イチャモン”(写真/AFP=時事)

 モンスターの強さは健在だった。7月25日、元バンタム級世界4団体統一王者の井上尚弥(30)がWBC、WBOスーパーバンダム級王者のスティーブン・フルトンを相手に8回TKO勝ち。新階級の初戦でいきなり世界のベルトを2本獲得し、4階級制覇を達成した。

 試合後は同階級のWBA、IBF王者のマーロン・タパレスがリングイン。井上からの年内対戦のラブコールに「やりましょう」と応えた。

「スーパーバンダムでもさっそく4団体王座統一戦の機運が高まった。ボクシング関係者の間では、タパレスの評価はフルトンより下。井上なら難なく倒すでしょう。数年後にはさらに一階級上、フェザー級に挑戦する可能性もある」(スポーツ紙記者)

 日本人男性ボクサーとして前人未踏の5階級制覇が視野に入る井上だが、“その先”もありうるとボクシング誌記者は言う。

「フルトンは骨格が大きく、近くフェザー級に上げる予定でした。その彼をパワーで圧倒したこともあり、“スーパーフェザーも夢ではない”と見る専門家は多い。元2階級制覇王者の米国人ボクサー、ティモシー・ブラッドリーも”イノウエは130ポンド(スーパーフェザー級)まではいける”と現地メディアで話しています。 6階級制覇ならフロイド・メイウェザーやマニー・パッキャオに並ぶ快挙です」

 もはや敵のいない井上だが、一つだけ今後の懸念材料がある。対戦相手からの“イチャモン”だ。

「昨今、井上のバンテージの巻き方について“拳を固くするグレーな手法だ”とする説が一部の海外ボクシング関係者の間で流れていたんです。国際ルールに則った巻き方で何も問題はないのですが、フルトンも試合前にバンテージにクレームを入れていた。

 過去には試合直後に相手陣営が“グローブに鉛か何かを仕込んでいるのでは”と抗議したこともあります。井上はその場でグローブを外して確認させ、相手を黙らせましたけどね。強すぎて不条理な因縁を付けられているのです」(同前)

 これも最強ゆえの宿命なのか。モンスターが日本ボクシング界の新たな地平を切り開こうとしている。

※週刊ポスト2023年8月11日号

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