取材当日も部活帰りの花巻東高校の生徒が“食トレ”中。取材班に気づくと、明るく挨拶をしてくれた。
「岩手・花巻の子がみんな礼儀正しいのは、部活の先生たちの“愛のある厳しさ”あってのものだと思います。部活の走り込み中でも足を止めて挨拶してくれる、そんな礼儀正しさが、いまの“大谷選手らしさ”を作っているのかもしれませんね」(村本さん)
大谷選手お気に入りの「チョコバナナクレープ」(430円)と、学生に大人気の「ナポリかつ」(990円)。クレープの包み紙は当時と同じデザインで、岩手県産の新鮮な牛乳と卵を使用したレシピも当時と変わらないという。
入り口すぐ横には、壁一面を埋め尽くすメニュー案内が
「マルカンビル大食堂」
住所:岩手県花巻市上町6-2
営業時間:11〜15時半、土日祝〜18時半
定休日:水曜
■麺担品
チャチャ系ねぎそば
花巻市の名産で、大谷選手がインタビューで触れたこともあるという「ひえカレー」をかけたご飯。ラーメンのスープと混ぜてリゾットにしてもおいしい
「野球のことはよくわからないけど、(菊池)雄星がよく通ってくれたのもあって、生徒たちは皆子供みたいなもの。中には“ただいま〜”って言って店に入ってくる子もいます」(店主の牛崎真裕美さん)
大谷選手との思い出は約13年前。高校1年生の頃、同級生たちと来店したという。
「たくさんの花巻東生が来るから全員は覚えていないんだけど、頭一つ抜けて大きい大谷くんはとても印象に残っていました。“すごい子が入学した”と聞いていたからもしかして……と思ったら、やっぱり大谷くんだった。その後、取材で大谷くんがお店の名前を出してくれたと聞いたときは、うれしかったですね」
店主・牛崎真裕美さん
お店を始めてからもう20年以上。“花巻東校の母”は、今日も子供たちの帰りを待ち続けている。
「人気メニューの1つ。大谷くんも食べたんじゃないかな」(牛崎さん)という「チャチャ系ねぎそば」(800円)。京都から直接仕入れたこだわりの九条ねぎを使用し、豚骨は血抜きを丁寧にして5〜6時間煮込むため臭みがなく仕上がっている。
『麺担品』
『麺担品』
住所:岩手県花巻市桜台2-12-11
営業時間:11〜15時
定休日:日曜、土曜と祝日は不定休、8月11〜16日
■前沢バッティングセンター
バッティングセンターには卓球場も併設。取材当日も、地元の野球部員たちが汗を流していた
創業から45年、70才を超えたいまも、訪れる学生たちに笑顔を向ける小林長男さんはこう話す。
「大谷はリトルリーグのチームメートたち何人もと一緒に、頻繁に打ちに来ていました。普通はなかなか打てない150kmの高速球も、当時から打っていたんですよ。でも、すごい目立つ印象はなくて、むしろおとなしかった。そんな大谷がここまで活躍しているんだから驚きですよね」
大谷選手がよく使っていた「左打席4番」は、低・中・高速が織り交ぜられた「実践」モードを搭載。いまもなお1セット100円という良心価格だ。
オーナー・小林長男さん
『前沢バッティングセンター』
住所:岩手県奥州市前沢古城丑沢北谷地40
営業時間:10〜20時、金・土曜〜21時
定休日:木曜
■ヘアーサロンこう
「翔くんは小学校1〜2年生の頃に、お父さんと一緒に通ってくれました。そのくらいの年齢だと動き回る子も多いのに、おとなしくじっと座っていて。切り方を聞くと“お父さんと同じ”と一言だけ。お父さんを尊敬しているんだなって感じました」
大谷選手が座っていた店内中央の座席。まだ小さかった大谷選手のため、子供用の補助クッションを敷いていたという。店主・佐々木興子さん
大谷選手の地元・奥州市で理容店を営む佐々木興子さんはそう懐かしむ。
「日本ハムに入団が決まったときには、地元で送別会をしました。しばらく会っていなかったんですが、立派に成長していて。“これからもっと立派になるのよねぇ。頑張れなぁ……”って思いました」
佐々木さんは、どこかうれしそうな表情を浮かべていた。
幼少時の大谷選手と父・徹さん(MLB公式Twitterより)
『ヘアーサロンこう』
住所:岩手県奥州市水沢姉体町寺ノ西225
営業時間:9〜18時
定休日:月曜、第3火曜