山口氏の妻が日頃乗っているというインプレッサ
ただ、インプレッサは事務所前に停まっていることもあり、事務所スタッフと見られる男性が、自宅隣の駐車場まで移動させていたこともあった。山口夫人と事務所スタッフが共用しているということなのだろうか。ちなみに、自宅付近で、インプレッサ以外に山口家の自家用車と見られる車は見当たらなかった。
この車は、山口氏が政治資金で購入した可能性があるものだ。山口氏の資金管理団体「ミッション21」の政治資金収支報告書によると、2019年1月~2020年8月に、「インプレッサ分割払い」として毎月4万9800円、計99万6000円の支出がある。
さらに、同報告書によると、2019~2021年の3年間で毎年、「自動車税(インプレッサ)」として3万9500円を支出しているほか、「左Rハブベアリング・パット・プラグ取替(インプレッサ)」として5万7090円(2020年)、「車検代(インプレッサ)」として14万1290円(2020年)を支出しているのだ。政治資金の使途を監視してきた上脇博之・神戸学院大学教授はこう指摘する。
「資金管理団体が自動車を持つというのなら、街宣車であれば問題はないでしょう。ですが、乗用車の使途がプライベートであればNG。山口代議士の妻が『自分の買い物や友人とお茶に行く時に乗っている』といったように、私的に使っているのであれば、政治資金を使うべきではない。
政治資金規正法に照らすと、虚偽記入(虚偽記載)にあたる可能性が出てきます。これは、政治団体として支払い義務がある使途なのかどうか、という部分で考えます。支払い義務のないもの、政治活動ではないものにお金を使い、それを記載したということならば、記載すべきではないものを記載したということになり、虚偽記入にあたる可能性が出てくるという考え方です。
もしその車が主にプライベートで使用するもの、議員やその親族が私的に使うケースもあるものであれば、資金管理団体が政治資金から支払ったお金で、自分の車を買ったということになります。ガソリンは使えばなくなりますが、車は議員の資産になります。政治団体の資産に計上していても、プライベート使用であれば、実質は議員の資産です。よって、ガソリン代以上に、この政治資金の使途、車の使い方について説明責任が生じることになります」
山口事務所に聞いたが、締め切りまでに回答はなかった。