今大会から熱中症対策で導入されたクーリングスペース(時事通信フォト)
高校野球をナイターで1日2試合制にするプラン
甲子園球場はプロ野球の阪神タイガースが本拠地にしている。かつては夏の甲子園開催中に3週間ほどビジターでの試合が続き、“死のロード”と呼ばれていた。その期間に調子を崩し、優勝から遠ざかる年もあった。しかし、1997年に大阪ドーム(現・京セラドーム)が開業して以降、8月も地元の関西でプレーできるようになった。
「今年の阪神の日程を見ても、甲子園開催中に京セラドームで2カード組まれており、連続ロードは最長9試合に留まっています。もはや“死のロード”ではない。オリックスが京セラドームを本拠地にしているので、日程の調整の問題はありますが、関西にはほっともっとフィールド神戸(旧・グリーンスタジアム神戸)という素晴らしい球場もある。阪神はそこでホームゲームをしてもいい」
阪神側との調整次第だが、甲子園で開催される高校野球の期間を長くすることは可能だろう。そうすればナイターで1日2試合制にしたり、休養日を増やしたりもできる。
とはいえ、高校野球をナイターで1日2試合制にすれば、現在の倍の日程が必要になる。もし本当に実現すれば、阪神は準備期間を含めて1ヶ月半近くも本拠地を空けなければならなくなる。そうなれば、ペナントレースを戦う上で不利になりかねないという声もあるかもしれない。
「高校野球は金曜から月曜に開催し、火曜から木曜は阪神が使えるようにする方法もあると思います。もしくは金曜から日曜は阪神、月曜から木曜が高校野球でもいいでしょう。そうすれば、高校球児には中3日の休養日が自然と与えられます。各校によって初戦の期間にバラツキが出てしまうと言うなら、1回戦~2回戦は続けて行い、その後1週間ほどは阪神が甲子園で試合をする形も考えられる。
間隔を空けずに、高校野球と阪神で毎日甲子園を使い続けると、いろんな準備が間に合わないのではないかという疑問も出るでしょうし、各校の練習場所の確保などの問題もあります。しかし、そこは知恵と工夫で何とかしなければならない。まず、酷暑の昼間の試合を辞めることを優先すべきでしょう」