騙されてはいけない「無意味なキャッチフレーズ」
さらに恐ろしいのは、「中身」の偽装をめぐる問題だ。
「アメリカでは、“オリーブオイルの中でも希少で良質である”ことを示すはずのエクストラバージンオリーブオイルの多くが、偽造や品質劣化により国際基準を満たしていないことが問題になっており、日本でも同様の状況になっていることが予想されます。
なぜなら日本は、世界のオリーブ生産量の98%以上を占めるEU、英国などが加盟している国際オリーブ理事会に所属しておらず、オリーブオイルの規格や検査項目が存在しないため、議論すらできていない状況です」(大西さん)
サラダや刺し身、煮物といったパックから出すだけですぐに食べられる健康的な一品が手に入るスーパーの食品コーナーだが、垣田さんは落とし穴があると警鐘を鳴らす。
「サラダや総菜など体によさそうなものを選んでも、その原料は“売れ残り”の可能性がある。例えば夏に人気があるうなぎのかば焼きを、消費期限間近になって『うな丼』に加工して販売するスーパーは珍しくありません。消費期限は加工すると延ばすことができるというカラクリがあるのです」
ポップが目立つ「朝どれ野菜」も、新鮮とは限らない。垣田さんが続ける。
「その日の朝に収穫した野菜だと錯覚してしまいますが、実際にはいつの朝かはわかりません。何日前であっても、収穫が朝であれば『朝どれ』です。同じく『漁港直送』と書かれた魚も、新鮮だと思わせる言葉のマジックです。漁港から市場を通さずに仕入れたという意味に過ぎないので、冷凍してあったものを解凍している可能性すらあります。結局は目で確認して新鮮なものを買ってきて、自分で調理するのがいちばん安全なのです」
※女性セブン2023年8月17・24日号