2021年、先制ゴールを決め祝福される浦和の元デンマーク代表のキャスパー・ユンカー(右から2人目)。2023年シーズンに名古屋グランパスへ移籍したが、2021-2022年シーズンを浦和レッズで過ごした(時事通信フォト)

2021年、先制ゴールを決め祝福される浦和の元デンマーク代表のキャスパー・ユンカー(右から2人目)。2023年シーズンに名古屋グランパスへ移籍したが、2021-2022年シーズンを浦和レッズで過ごした(時事通信フォト)

 浦和は「浦和レッズサポーターによる違反行為について」としてサポーターの処分を発表した。1名が16試合の入場禁止、31名が9試合の入場禁止、そして45名が厳重注意とした。

 浦和レッズの田口誠代表は、

〈先人が紡いできた日本サッカーの歴史に泥を塗る愚行であり、また夏休み中ということもあり、多くのお子様がスタンドに足を運ばれていた中で、絶対に見せてはいけない姿、そして絶対に感じさせてはいけない不安や恐怖を与えてしまったことは、痛恨の極み〉

 としたが、同クラブの須藤伸樹マーケティング本部長は「認識された主な事項」として、

〈双方暴力は振るっていないという事実〉

 と述べた。これに対して冒頭の彼もSNS上のサッカーファンの間でも「事実と違う」「警備員に暴力を振るう映像がある」と異論が噴出している。田口代表は「恣意的に処分を軽くしていることは一切ございません」としたが、本稿で語られる通りの「甘やかし」「アマアマ」の対応であるとネット上を中心に他サポはもちろん、浦和の心あるサポーターの多くからも批判一色だ。また日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長は9日、調査の結果「暴力に相当するものがあるという報告」があったことを言及し、浦和側の「双方暴力は振るっていない」発言の真偽が問われる結果となった。

 今回の浦和の一部サポによる「騒乱」とも言える大騒動。多くの心ある浦和サポの怒りと悲しみはもちろん、この一部始終を見つめ、止めに入ろうとまでして関係者に制止されていた元浦和、現名古屋のストライカー、キャスパー・ユンカーの心中はいかばかりだったろう。JFAの処分はもちろん、浦和レッズの「名門」としての自浄が今回こそ、本気で問われている。

【プロフィール】
日野百草(ひの・ひゃくそう)日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。社会問題、社会倫理のルポルタージュを手掛ける。

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