名将への道をひた走る(時事通信フォト)
ほかにも「はっきり言って」「いつも言うてるやん」「それだけよ」、そして会話の合間に頻繁に発せられる「おーん」など、たくさんの岡田語録が話題になっています。今年の阪神のケタ外れな強さは、もしかしたら岡田語録がもたらしたのかもしれません。いや、きっとそうです。私たちも、いろんな場面でその神通力にあやかるとしましょう。
スポーツつながりで、さっそく使ってみたいのが、開催中の「ラグビーワールドカップ2023」。初戦のチリ戦は42‐12で快勝した日本代表ですが、2戦目(日本時間9月18日4時~)で戦う相手は超強豪のイングランドです。試合を話題にするときは、岡田語録を意識したいところ。もちろん、関西弁のイントネーションは基本です。
「はっきり言ってイングランド戦でもしアレしたら、おーん、すごいことになるな」
「そらそうよ。いつも言うてるやん、ここまで来たらやるしかない。それだけよ」
たとえば、こんな感じでしょうか。超強豪のチーム名を口に出すとそれだけで気後れしそうな方は、いっそのこと「今度の試合でアレにアレしたらアレだよね。それだけよ」と言えば強気を保てるかもしれません。いきなり聞くと、何の話かわかりませんけど。
ビジネスシーンでの活用法も探ってみましょう。会議で意外な結論が出たときは「そらそうよ」を使うチャンス。部下に「まさか、A案になるとは思いませんでした」と言われて、自信たっぷりに「そらそうよ」と返せば、深い洞察力や先見の明を示せそうです。もっと長めに「あのアレは、はっきり言って、おーん、そらそうよ」でもいいでしょう。
会議で発言するときも同僚と居酒屋で飲むときも、随所で「はっきり言って」を使えば、ぜんぜんはっきり言ってなくても、忌憚のない意見を率直に言っているように聞こえるはず。いろいろ言ったあとに「それだけよ」と言えば、要点を絞って話せる人のように見えるでしょう。初めて言ったことでも「いつも言うてるやん」と付ければ、発言の重みが増します。いずれも「あくまで自分の認識では」という注釈は付きますが。
あるいは、狙っている女性との距離を縮める場面でも頼りになってくれそうです。気持ちを伝えるときは「はっきり言って」を付ければインパクトが増すし、「どうして私を飲みに誘ったの」なんて言われた日にゃ、「そりゃそうよ」と答えるしかありません。「いや、誘いたいからや。それだけよ」というセリフも、相手の心に深く突き刺さりそうです。
胸に秘めた「理想的な展開」も、はっきり言葉にするのは野暮というもの。岡田監督にならって「やっぱりほら、俺としてはアレが目的だから。はっきり言って、ふたりでアレができたらいいなって。そりゃそうよ、おーん」と告げたら……ビンタのひとつふたつ食らっても文句は言えません。岡田語録の神通力にも限界があるようです。