ライフ

美容整形の期待と現実を一致させる!CrisalixやVECTRAなど最新の画像技術

理想と現実のミスマッチを防ぐには?(写真/イメージマート)

理想と現実のミスマッチを防ぐには?(写真/イメージマート)

 美容医療の世界では、新たな画像技術によって、手術を受ける前から、手術後の姿を確認できるようにできるようになっている。

 米国形成外科学会(ASPS)が2023年9月、こうした最新の状況を紹介している。

期待と現実の一致を目指して

 ASPSは、美容医療の課題を指摘している。それは手術後にその人が希望する外見が、必ずしも実現するとは限らないことだ。このようなミスマッチにいら立つ人も少なくない。ソーシャルメディアや有名人の影響で、人々は時に「非現実的な期待」を抱き、失望感を抱くこともある。

 そうした中で、画像技術によって手術前に、手術の自分を確認できる方法も発達している。クリサリックス(Crisalix)やベクトラ(VECTRA)のような画像ツールが登場している。人々は視覚的にビフォーアフター画像を見ることができる。未来をのぞき込むようなテクノロジーである。

 ASPS会員の外科医、アイラ・サヴェツキー氏とケリー・キリーン氏が、画像ツールについて紹介している。「人々は、自分が何を望んでいるのかを示すために、有名人の写真を持ってやってきますが、実際に自分の体の変化を見てみると、同じものになるとは限りません」とキリーン氏。外科医にとっても、画像ツールを使うことで、個人の身体的な特徴に沿った画像を手術前に見せることは大きなメリットになる。

視覚化で満足度を高める

 これらの画像ツールの背景にある考え方は単純で、医師と施術を受ける人たちがより理解し合えるようにすることだ。手術によってどのような変化が起こるかを、情報共有することを簡単にして、術後の満足度を高めることができる。

 VECTRAは、バストアップのための豊胸手術の前後の説明に向いているというが、インプラントを除去した後の皮膚のへこみを表現する面では対応できないなど限界もあるようだ。それでも、画像ツールの利用価値は高いと医師は説明する。

 AI(人工知能)、VR(仮想現実、バーチャルリアリティー)およぼAR(拡張現実)などの技術が発展することで、美容医療の分野での画像技術の活用はますます加速しそうだ。

参考文献

Imaging innovations: Seeing your future self before plastic surgery

crisalix

VECTRA

【プロフィール】
星良孝/ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表、獣医師、ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

ヒフコNEWS

ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。

関連キーワード

トピックス

「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン