国内

【内閣改造の内幕】最大のサプライズは林芳正・前外相の交代 岸田首相は「4年後の政権禅譲」を確約か

G7外相会議の議長を務めていた林芳正氏だが…(写真/EPA=時事)

G7外相会議の議長を務めていた林芳正氏だが…(写真/EPA=時事)

【政治部記者覆面座談会・第1回】岸田文雄・首相は低迷する支持率を挽回しようと過去最多に並ぶ5人の女性大臣を起用し、11人を初入閣させて人事刷新をアピールしようとしたが、各社の世論調査で支持率は横ばい、自民党内には人事の不満が高まる結果となった。

 アテが外れた岸田首相は「支持率に一喜一憂しない」と言いながら国内向けに物価対策の新たな経済対策をまとめることを表明して訪米すると、国連総会演説で「核なき世界」を訴えて核軍縮に30億円、感染症対策などに75億ドル、アフリカ連合の平和支援に900万ドルの拠出を表明するなどバラマキ外交を展開、国内外で失点をお金で挽回しようと躍起になっているように見える。

 政治部ベテラン記者A氏は「まるで政権末期の改造」と語る。

「総理にとって改造人事が支持率回復につながらなかったのは誤算でしょうが、当然といえば当然。政権の骨格は変えられず、官房長官、財務大臣、経産大臣など主要閣僚は再任、初入閣組が11人といっても、女性大臣以外は組閣前に各派の領袖から推薦されていた大臣候補をほぼそのまま任命した。自民党伝統の派閥順送り人事で、新鮮な印象はない。

総理は当初、大幅人事を考えていたようだが、途中から保身のために安全策に切り替えた。だが、それが結果的に党内の不満を強め、政権の寿命を縮めたのではないか」

 内閣改造は政治部記者たちにとっても腕の見せ所だ。首相官邸が建て替えられるまでは、改造の時期になると官邸前に報道各社のテント村がつくられ、各局は特番を組んで取材合戦を展開した。現在はテント村こそなくなったが、改造前から人事情報が飛び交い、総理と自民党実力者たちの水面下の駆け引きが展開された。

 そこで本誌・週刊ポストは官邸詰めや自民党担当の政治部記者4人による緊急覆面座談会を開催し、改造の舞台裏を辿った。参加者はキャップクラスのベテラン記者A氏とB氏、取材の第一線に立つ若手・中堅のC氏とD氏だ。座談会で浮かび上がったのは、政敵をなんとか葬ろうとする総理と、総理を潰そうと計略をめぐらす自民党実力者たち、リーク情報に踊らされてそうした権力闘争に利用される大メディアの姿だ。

司会(編集部):取材していて最大のサプライズ人事は?

記者D:やはり林芳正・前外相の交代でしょう。林さんはG7外相会議の議長を務めていたから、途中で交代させるのは外交的にもマイナス。各社とも完全にノーマークで記者はみんな「エッ」と驚いた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

日米通算200勝を達成したダルビッシュ有(時事通信フォト)
《ダルビッシュ日米通算200勝》日本ハム元監督・梨田昌孝氏が語る「唐揚げの衣を食べない」「左投げで130キロ」秘話、元コーチ・佐藤義則氏は「熱心な野球談義」を証言
NEWSポストセブン
ギャンブル好きだったことでも有名
【徳光和夫が明かす『妻の認知症』】「買い物に行ってくる」と出かけたまま戻らない失踪トラブル…助け合いながら向き合う「日々の困難」
女性セブン
破局報道が出た2人(SNSより)
《井上咲楽“破局スピード報告”の意外な理由》事務所の大先輩二人に「隠し通せなかった嘘」オズワルド畠中との交際2年半でピリオド
NEWSポストセブン
河村勇輝(共同通信)と中森美琴(自身のInstagram)
《フリフリピンクコーデで観戦》バスケ・河村勇輝の「アイドル彼女」に迫る“海外生活”Xデー
NEWSポストセブン
《私の最初の晩餐》中村雅俊、慶応大学に合格した日に母が作った「人生でいちばん豪勢な“くずかけ”」
《私の最初の晩餐》中村雅俊、慶応大学に合格した日に母が作った「人生でいちばん豪勢な“くずかけ”」
女性セブン
『君の名は。』のプロデューサーだった伊藤耕一郎被告(SNSより)
《20人以上の少女が被害》不同意性交容疑の『君の名は。』プロデューサーが繰り返した買春の卑劣手口 「タワマン&スポーツカー」のド派手ライフ
NEWSポストセブン
ポジティブキャラだが涙もろい一面も
【独立から4年】手越祐也が語る涙の理由「一度離れた人も絶対にわかってくれる」「芸能界を変えていくことはずっと抱いてきた目標です」
女性セブン
生島ヒロシの次男・翔(写真左)が高橋一生にそっくりと話題に
《生島ヒロシは「“二生”だね」》次男・生島翔が高橋一生にそっくりと話題に 相撲観戦で間違われたことも、本人は直撃に「御結婚おめでとうございます!」 
NEWSポストセブン
木本慎之介
【全文公開】西城秀樹さんの長男・木本慎之介、歌手デビューへの決意 サッカー選手の夢を諦めて音楽の道へ「パパの歌い方をめちゃくちゃ研究しています」
女性セブン
大谷のサプライズに驚く少年(ドジャース公式Xより)
《元同僚の賭博疑惑も影響なし?》大谷翔平、真美子夫人との“始球式秘話”で好感度爆上がり “夫婦共演”待望論高まる
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
男装の女性、山田よねを演じる女優・土居志央梨(本人のインスタグラムより)
朝ドラ『虎に翼』で“男装のよね”を演じる土居志央梨 恩師・高橋伴明監督が語る、いい作品にするための「潔い覚悟」
週刊ポスト