芸能

日本テレビが今秋、“生特番”を連発 オール生放送ではない構成から見える狙い

『開局70年特別番組THE MYSTERY DAY〜有名人連続失踪事件の謎を追え』

『開局70年特別番組THE MYSTERY DAY〜有名人連続失踪事件の謎を追え』が放送(公式Xより)

 改編期を迎え、テレビ各局は今さまざまな特別番組を投入している。特徴的な動きを見せているのが日本テレビ。生放送の番組を連発しているのだ。そこにはどんな狙いがあるのか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 春と秋の改編期前後には、民放各局が力を入れた大型特番が放送されますが、今年も例外ではありません。

『芸能人格付けチェック 秋の3時間スペシャル』(テレビ朝日系)、『炎の体育会系TV2023秋SP』(TBS系)、『FNSドラマ対抗お宝アワード2023秋』(フジテレビ系)、『ノリタケ・フミヤ・ヒロミの芸能人こだわりの家めぐり旅』(フジテレビ系)など、さまざまなジャンルの改変期特番が放送されています。

 その中で「おやっ?」と目を引いたのは、日本テレビの特番。9月30日に『SHOWチャンネル 秋の2時間生放送』『ラグビーワールドカップ2023 アルゼンチン×チリ』、10月5日に『日テレ系!生番組の祭典 生デミー賞2023秋~テレビの神は生に宿るSP』、同7日に『開局70年特別番組THE MYSTERY DAY〜有名人連続失踪事件の謎を追え』、同8日に『ラグビーワールドカップ2023 日本×アルゼンチン』という生放送の特番がそろっています。

スポーツの国際大会を除けば、他局にこのような生放送特番の動きはありません。そもそも生放送には放送事故のリスクやクオリティの担保などの点で不安があるのに、なぜ日本テレビはこれほどこだわっているのでしょうか。各番組の内容を掘り下げつつ、その狙いを探っていきます。

「収録+スタジオ生トーク」の構成

 まず『SHOWチャンネル 秋の2時間生放送』は3つの企画を放送。「大人の船舶免許プロジェクトwithヒロミ」では免許取得から初出航までの様子を、「全国1位のとこだけ行ってみたSP」では焼き芋、ラーメン、ハンバーガー、スーパー銭湯、アンテナショップを、「どれだけ食べたら元が取れる?」で食べ放題の店を紹介しました。

 ただ、その大半は収録済みの映像。時折はさまれる櫻井翔さん、羽鳥慎一さん、小峠英二さんら「スタジオメンバーのトークパートだけが生放送」という構成でした。

 次に、『日テレ系!生番組の祭典 生デミー賞2023秋~テレビの神は生に宿るSP』は、「生放送だから起こった名場面、珍場面を特集する」というコンセプトの特番。日本テレビのレギュラー番組を中心にアーカイブも含め、生放送番組の映像を次々に紹介していきました。

 しかし、「生放送の祭典」をうたいながらも、その大半は放送済みの映像集。生放送は、各番組のMCを集めたスタジオでのトークと、番組対抗のゲームコーナーのみで、メインの映像集ほどの盛り上がりはありませんでした。

 さらに、7日放送の『開局70年特別番組THE MYSTERY DAY〜有名人連続失踪事件の謎を追え』は、都内の大型映画館から生中継される視聴者参加型のミステリードラマ。ドラマ出演する豪華キャストと黒幕を考察し、ネット投票の正解者には総額1000万円がプレゼントされます。

「映画館に観客を集めて生中継をつなぐ」という演出の狙いは、黒幕考察の臨場感を高めること。ただ、こちらもメインは収録済みのドラマであり、生放送パートが欠かせない番組とは言えない感があります。

関連キーワード

関連記事

トピックス

12月9日に亡くなった小倉智昭さん
【仕事こそ人生でも最後は妻と…】小倉智昭さん、40年以上連れ添った夫婦の“心地よい距離感” 約1年前から別居も“夫婦のしあわせな日々”が再スタートしていた
女性セブン
去就が注目される甲斐拓也(時事通信フォト)
FA宣言した甲斐拓也に辛口評価 レジェンド・江本孟紀氏が首を傾げた「なんでキャッチャーはみんな同じフォームなのか」
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
NBAレイカーズの試合観戦に訪れた大谷翔平と真美子さん(AFP=時事)
《真美子夫人との誕生日デートが話題》大谷翔平が夫婦まるごと高い好感度を維持できるワケ「腕時計は8万円SEIKO」「誕生日プレゼントは実用性重視」  
NEWSポストセブン
元夫の親友と授かり再婚をした古閑美保(時事通信フォト)
女子ゴルフ・古閑美保が“元夫の親友”と授かり再婚 過去の路上ハグで“略奪愛”疑惑浮上するもきっぱり否定、けじめをつけた上で交際に発展
女性セブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン
12月9日に亡くなった小倉智昭さん
小倉智昭さん、新たながんが見つかる度に口にしていた“初期対応”への後悔 「どうして膀胱を全部取るという選択をしなかったのか…」
女性セブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
無罪判決に涙を流した須藤早貴被告
《紀州のドン・ファン元妻に涙の無罪判決》「真摯に裁判を受けている感じがした」“米津玄師似”の男性裁判員が語った須藤早貴被告の印象 過去公判では被告を「質問攻め」
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン