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島田珠代、元夫をがんで失って生まれた「娘にいい思いをさせたい」という“動物の本能”

島田珠代

元夫について語った島田珠代

「彼が亡くなったときは悲しいというよりも、病気の苦しみから解放されてよかったね、とホッとしたというのが本音です。抗がん剤が体に合わず、ものすごく痛がっていたから、その苦しみをもう感じる必要がないんだと思って、安心してしまったんです」

 泣き笑いの表情でそう話すのは、吉本新喜劇の島田珠代(53才)。“パンティーテックス”などハイテンションなギャグでお茶の間の爆笑をさらって人気再燃中の彼女は、長い闘病の果てにパートナーを見送っていた。

「2005年放送のドラマに出演したときに知り合った小道具係の男性で、仕事をしている姿が尊敬できたし、スヌーピーのようなたれ目の顔も好きでした。何よりボソボソッと最後にしゃべる一言が面白くて、私から追いかけて結婚してもらいました」(島田・以下同)

 島田にとっては2度目の結婚だった。すぐ子宝にも恵まれたが、娘が生後8か月のときに夫がステージ4の直腸がんを患い、余命5年と告げられる。闘病生活のため島田の実家がある大阪に引っ越したが、治療や看病などのストレスが募って夫婦仲が悪化し、やがて夫が娘を連れて地元の名古屋で暮らすことになった。島田も忙しい合間を縫っては名古屋を訪れ、3人で過ごしていたが夫婦の溝は埋まらず、ついに離婚して夫が親権を持つことになった。

「離婚後も交流はあって1か月に1度は彼と顔を合わせていたので、別れたという感じはありませんでした。そのうちにがんが転移して夫は何度も集中治療室に入るようになって。何度も泣きながら新大阪から新幹線で、名古屋に行くことがありました」

 余命5年と宣告されてから11年も懸命の闘病を続けた元夫は3年前に他界した。

「亡くなる前の2年くらいはいつ旅立ってもおかしくない状態なのに、娘のために昏睡状態から何度でも戻ってくる強い人でした。いまにして思えば抗がん剤がどれほど苦しいものか、私がもっと理解してあげるべきだった」

 元夫がいなくなってから、島田は死後の手続きに奔走した。法的にも私的にも大変だったのは「娘との関係」を修復することだった。

「娘の親権を取り戻すため、元夫の死亡診断書や戸籍謄本などいくつもの書類を取得して、大阪から名古屋の市役所や家庭裁判所に何度も何度も通いました」

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