芸能

【全文公開】東山紀之、新会社社長辞退の内幕「過激化する誹謗中傷」と「相次ぐ独立」に神経をすり減らした50日

東山紀之。ボクシングで心と体を鍛える(2023年8月)

東山紀之が新会社社長を辞退した背景には「過激化する誹謗中傷」もあったという(2023年8月)

 悲壮な覚悟で引き受けた社長という重責。仲間や後輩を守るため、年内でタレントを引退し、退路を断って事務所を立て直すはずだった。しかし、次々と直面する難局に、芸能活動40年を超える希代のアーティストも次第に追い詰められていく──。

 10月下旬、東京・渋谷のPARCO劇場で公演が行われた舞台『チョコレートドーナツ』。鬼気迫る東山紀之(57才)の熱演を目の当たりにしたTOKIOの松岡昌宏やWEST.の桐山照史は、思わず息をのんだという。

「舞台は東山さん演じるゲイの男性がダウン症を抱える少年を育てる物語で、一緒に育てる検事役を元Hey! Say! JUMPの岡本圭人さんが演じました。年内でタレント活動からの引退を表明している東山さんにとっては今作が最後の舞台。ボクシングで鍛えたシャープな体が一層痩せたように見え、研ぎ澄まされた演技で観客を魅了していました」(芸能関係者)

 10月8日に開幕してから休まずステージに立ち続けた東山は、一方でSMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)の社長として山積みの問題と向き合ってきた。9月7日に旧ジャニーズ事務所が開いた会見では、新たに発足するエージェント会社の社長にも就任することを発表し、その経緯をこう明かしていた。

「できるできないじゃなく、やるかやらないか。非常に悩みましたが、自分の運命だと思って引き受けさせていただきました」

 1979年に事務所の門を叩いてから40年以上。「90才まで舞台に立ちたかった」と話していた“ジャニーズの申し子”は、退路を断って事務所の解体的出直しに乗り出した。だが、一度目の会見から約2か月が経ち、心身は限界に達していたようだ。

「10月31日に新会社の社名公募が終了し、新たな門出を迎えようというタイミングで、東山さんが社長就任を断念したことが各社で報じられたのです。新社長として招聘されたのは女優・のんさん(30才)とエージェント契約を結ぶコンサルティング会社『スピーディ』の福田淳社長です。旧ジャニーズ事務所とは無縁の人物で、別会社に生まれ変わったことをアピールするための人選だったといわれています」(テレビ局関係者)

 これまで東山はタレント活動を続けながら、補償会社であるSMILE社の社長として被害者と向き合い、不安を抱える所属タレントとの話し合いを続けてきた。

「睡眠時間を削り、世間のバッシングにも耐え抜いて事態に対処してきました。10月2日に2度目の会見を開いた後も厳しい声は鳴りやまず、過去の“パワハラ疑惑”を追及されて言葉につまる場面も。さらに会見を仕切ったコンサル会社が作成した『NGリスト』問題が炎上を招き、東山さんはサンドバッグ状態で吊るし上げられてしまった。

 会見では“人生をかける”と悲壮な決意を明かしていましたが、周囲には『本当はぼくがやるはずじゃなかった』と漏らすこともあったようです」(前出・芸能関係者)

 東山が言うように当初から新会社の社長にはタレントではなく、外部のプロ経営者を迎え入れることが検討されていたという。

「複数の関係者に打診したものの火中の栗を拾おうとする人は現れず、軒並み断られてしまったのです。デビュー以来、ジャニー喜多川氏の身近にいた東山さんには、どこまで行っても“性加害のことを知っていたのではないか”という疑問が付きまとう。

 そのような人物が社長にふさわしくないことは東山さんがいちばんよくわかっています。それでも、誰も引き受けてくれない状況で、後輩たちをまとめられるのは自分しかいない。東山さんには、たとえ俳優業やタレント活動を引退し、家族や友人に迷惑をかけることになっても自分がやるしかない、という悲壮な決意があったといいます」(前出・芸能関係者)

 社長とはいえ代表権はなく、株も持たず、ただ“矢面に立つだけ”の役回りを東山以外に引き受ける人物はいなかった。東山の社長就任後、事務所では抗議の電話が鳴りやまず、ネット上には誹謗中傷が飛び交った。10月下旬には都内のSMILE社のビルに不審人物が現れ、警備員と揉み合いになるトラブルもあったという。

「右翼団体を名乗る男性が警備員とぶつかり、大声を出すなどの迷惑行為を繰り返したのです。不審者は2人がかりで追い返したものの、本社ビル付近では以前から街宣車が抗議活動を行っており、一部の社員はいつ“襲撃”されてもおかしくないとおびえていたそうです。誹謗中傷はどんどん過激になり、命まで狙われているという警戒の声もありました」(前出・芸能関係者)

 そんな中、相次いで所属タレントが独立を表明したことにも東山はショックを受けていたという。

「10月の会見直後に元V6の岡田准一さん、10月24日には嵐の二宮和也さんが独立を発表しました。退所を考えているタレントはほかにも複数いるといいます」(別の芸能関係者)

 Jr.の間にも動揺が広がっている。

「ジャニー氏の問題が表面化する前はデビューが確実視されていた『Aぇ! group』も、東山さんの体制下では先行きが不透明だった。井ノ原快彦さんに『必ずデビューさせるから』と言われても、不安に感じるJr.は少なくなかったといいます。Jr.のある人気グループのメンバーは滝沢秀明さんが率いるTOBEに移籍することを検討しているという話もあります。井ノ原さんが目下、ケアにあたっているといいます」(前出・別の芸能関係者)

 事務所の求心力は低下する一方で、このままでは空中分解しかねなかった。補償会社とエージェント会社の社長の兼任は困難と判断した東山は、所属タレントに書面で社長就任を断念したことを通達したという。

「今後、東山さんはジャニー氏から性加害を受けた被害者への救済活動に専念し、エージェント会社は経営のプロに任せるという説明があったといいます。10月31日に主演舞台の東京公演を終えた後、緊急取締役会が開かれ、そこで正式に新社長が決定し、エージェント会社の新社名についても話し合いが行われるそうです」(前出・芸能関係者)

 二宮のように、グループとしては事務所に籍を置き、個人では独立するケースもある。実はそのスタイルの先駆者こそが少年隊だった。

「長年、東山さんと苦楽をともにし、独立後も少年隊に籍を置く錦織一清さん(58才)は『追い込まれていたんじゃないかな』と盟友の置かれた状況に思いを巡らせ、植草克秀さん(57才)は『いつものヒガシでいればいいと思う。そんなに無理しなくていいよ』と呼びかけていました」(前出・芸能関係者)

 約50日に及んだ社長辞退までの日々ですっかり神経をすり減らした東山。精神面も“決壊”寸前だったが、今後も被害者と向き合い、新社長とともに後輩たちを支える重要な役割を担うことになるという。

※女性セブン2023年11月16日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

引退後の生活を語っていた中居正広
【全文公開】中居正広、15年支えた恋人との“引退後の生活” 地元藤沢では「中居が湘南エリアのマンションの一室を購入した」との話も浮上
女性セブン
性的パーティーを主催していたと見られるコムズ被告(Getty Images)
《裸でビリヤード台の上に乗せられ、両腕を後ろで縛られ…》“ディディ事件”の被害女性が勇気の告発、おぞましい暴行の一部始終「あまりの激しさにテーブルの上で吐き出して…」
NEWSポストセブン
親方としてのキャリアをスタートさせた照ノ富士(写真・時事通信フォト)
【25億円プロジェクト】照ノ富士親方の伊勢ヶ濱部屋継承 相撲部屋建設予定地の地主が明かした「6階建てお洒落建物」構想
NEWSポストセブン
取材に応じる鈴木宗男氏
兵庫県知事選ほか「暴走SNS」と政治はどう向き合うか 鈴木宗男氏が語る「批判の集中砲火を浴びても生き抜くのに必要なこと」、ホテル避難時に “妻の深刻な心配”を実感
NEWSポストセブン
水原被告がついた「取り返しのつかない嘘」とは
水原一平被告がついた「取り返しのつかない嘘」に検察官が激怒 嘘の影響で“不名誉な大谷翔平コラ画像”が20ドルで販売
NEWSポストセブン
折田氏が捜査に対し十分な対応をしなかったため、県警と神戸地検は”強制捜査”に踏み切った
《「merchu」に強制捜査》注目される斎藤元彦知事との“大きな乖離”と、折田楓社長(33) の“SNS運用プロ” の実績 5年連続コンペ勝ち抜き、約1305万円で単独落札も
NEWSポストセブン
宝塚大劇場・宝塚バウホール
宝塚歌劇第一回公演の“予想外すぎる場所”「脱衣所を改造して…」と甲子園球場秘話「そんなにぎょうさんの人が来るんかいな」《阪急VS.阪神》
NEWSポストセブン
ギリギリな服装で話題のビアンカ・センソリ(インスタグラムより)
《露出強要説が浮上》カニエ・ウェストの17歳年下妻がまとった“透けドレス”は「夫の命令」か「本人の意思」か
NEWSポストセブン
四川省成都市のPR動画に女性社長役で出演した福原愛(写真/AFLO)
福原愛が中国で“女優デビュー”、四川省の“市のPR動画”に出演 バッチリメイクでハイヒールを履きこなす女社長を“快演”、自虐的な演出も
女性セブン
車に乗り込む織田裕二(2025年1月)
《フジテレビ騒動の影響》織田裕二主演映画『踊る捜査線 N.E.W.』、主要キャストに出演を打診できないままピンチの状態 深津絵里の出演はあるのか
女性セブン
大木容疑者(共同通信)。頭部が遺棄された廃マンション
《東大阪・バラバラ遺体事件》「部屋前のインターホンが深夜に鳴った。それも何度も」女性住民が語った“恐怖のピンポン”「住民を無差別に狙っていたのか…」
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「従業員の人が驚くといけないから…」田村瑠奈被告が母・浩子被告に告げた「殺害現場のホテルをキレイにした理由」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン